元旦と申しながら、容赦なき大雪に見舞われ申した。
さて、拙者が幼き頃、わが家の定めにて元旦は一切の事を致さぬ日と決まっておった。もっとも、まことに何もせぬというわけにも参らず、何を許し何を禁ずるかは祖母の采配にござった。
おおむね家事を遠ざける趣旨にて、ことに刃物を使うは堅く戒められおった。汁を温める、餅を焼くなどは許され申したが、包丁は元旦には触れてはならぬと申された。掃除も一切許されず、玄関にてうっかり塵を拾いし折にも叱られたものにござる。
されど今のわが家には、かような決まり事は設けておらぬ。
本日は雑煮を食し、家族は初詣に出向き申した。拙者は犬と共に留守を預かり、静かに正月を過ごしておる。
