皐月(さつき)というものは、陽気の移り変わりがはなはだしく、朝晩と昼との気温の差も大きゅうござったゆえ、体の調子を崩し申した日もありました。
これに続く水無月(みなづき)は、ほどほどに暖かき日が続いてくれればと、密かに願っておったのですが――
初めのころは思いのほか肌寒うござり、中旬に入るやいなや、一転して真夏のごとき暑さとなり、拙者も少々面食らい申した。
それでも時折、風清く陽射しもやわらかな、実に爽やかなる初夏の一日もあり、そうした折には、心も少し晴れたように感じられ申した。
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