証人が必要な場合
公正証書遺言や秘密証書遺言を作成するときは2名以上の証人が必要です。
証人は、遺言者が自分の意思で遺言して、その内容を公証人が正確に遺言書に記載していることを確認します。
ですから、公正証書を作成している間、ずっと立ち会う必要があり、一時的にでも途中で抜けることはできません。また、立ち合うだけで、遺言書の内容等に口を出すことはできません。
証人は、遺言公正証書の原本に署名捺印をします。
証人になれない人
証人になれない人について民法に定めがあります。
民法第974条 次に掲げる者は、遺言の証人又は立会人となることができない。
一 未成年者
二 推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族
三 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人
推定相続人というのは、遺言者が亡くなったら相続人になれる立場にある人です。受遺者というのは遺言により財産を貰う人です。
公証人の配偶者、四親等内の親族等は、遺言者に何らかの影響を与える可能性があるので証人になれません。
「証人又は立会人」となっています。証人になれない人が、証人としてではなく、単にその場にいただけでもその遺言は無効になるとされています。必ずしもそうではないという説もありますが、用心に越したことはありません。
証人になれる人
民法974条の要件を満たしていれば誰でも証人になれます。
ただし、証人には、そこで行われていることを正確に理解する能力が求められます。
認知症の疑いがある人など、理解力に疑問を持たれるような人を証人にすると争いの元になります。
遺言者本人については、病気等の場合は署名の代書も可能ですが、証人に関しては代書を認める規定がありません。何らかの事情で署名ができない人は証人になれません。
証人が見つからないとき
信頼できる友人がいればよいのですが、すぐには適当な証人を探せない場合もあります。
そういうときは、若干の費用がかかりますが、公証役場で証人を手配してくれます。また、司法書士事務所等でも相談にのってくれます。
遺言については、素人判断をしないことが重要です。遺言についての専門家は、司法書士、弁護士です。複雑なケースでは、少々お金がかかっても専門家の助力を得た方がよいでしょう。
総目次のページ>遺言について調べたこと>このページ