遺族基礎年金の支給条件は?いくらもらえる?

遺族年金

遺族基礎年金とは

遺族基礎年金とは、国民年金の被保険者が亡くなったときに、亡くなった人に生活を支えられていた子、子のある妻の生活を支えるために支給される年金です。

厚生年金の被保険者だった人(会社等に勤務していた人)は、国民年金と厚生年金の両方の被保険者になっているため、遺族には遺族基礎年金に加えて、厚生年金からの遺族厚生年金が支給されます。

亡くなった人の要件

国民年金の被保険者であること

亡くなった人が、国民年金の被保険者であれば、国民年金への加入期間は問われません。

ただし、国民年金保険料の未納があれば難しくなります。

過去全部ということではなく、死亡日の前日において保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。)が加入期間の3分の2以上あれば、遺族年金をもらうための条件を満たします。

また、令和8年4月1日前の死亡日に65歳未満であれば、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうちに、保険料の滞納がなければ受けられます。

老齢基礎年金の受給資格がある人

すでに老齢基礎年金を受けられるようになっているか、老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上ある人が死亡したときには、直前の保険料納付要件を考える必要はありません。すでに受給資格があるからです。

なお、「老齢基礎年金の受給権者」ですから「障害基礎年金の受給権者」の死亡は、遺族基礎年金についての死亡者の要件になりません。

厚生年金保険の被保険者

会社などに勤務している人は、厚生年金保険料が引かれていれば、国民年金の保険料も納めていることになります。

亡くなった人が自営業者などであれば遺族基礎年金だけですが、サラリーマンなどの場合は遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方が支給されます。

遺族の要件

遺族基礎年金は遺族であれば誰でも受給できるわけではありません。子供が対象です。

つまり、亡くなっていた人に生計を維持されていた、

1.子のある妻または夫(内縁関係を含む)
2.子
に支給されます。

遺族基礎年金は子供が成長するまでの金銭支援という位置付けです。妻に対する金銭支援ではないのです。

子には、18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子という年齢制限があります。子が障害等級1級または2級であれば20歳未満になります。

支給対象は子のある妻または夫ですから、子どもがいなければ配偶者であっても遺族基礎年金は支給されません。子が成長している場合も支給されません。

配偶者の子で、自分の実子でない場合(いわゆる連れ子)は、その子は遺族基礎年金の対象になりません。生前に養子縁組をしていれば、法律上の子なので、遺族基礎年金の支給対象になります。

被保険者等が死亡した当時、胎児であった子が生まれたときは、その子は、被保険者等の死亡の当時、死亡者によって生計を維持していたものとみなされ、配偶者は、被保険者等の死亡の当時、その子と生計を同じくしていたものとみなされます。この場合は、子が出生したときに遺族基礎年金の受給権が発生します。

遺族基礎年金の支給額

(令和5年度)
795,000円+子の加算

子の加算
第1子・第2子 各 228,700円
第3子以降   各  76,200円

遺族年金の受給者が65歳になったら
遺族年金を受給している人が65歳になって、自分の老齢年金の受給権を得ればどうなるでしょうか。

遺族年金と自分の老齢年金、どちらも受け取れるのでしょうか?

遺族基礎年金をもらっている人が老齢基礎年金の受給資格を得たときは、どちらかを選択しなければなりません。

基礎年金を2つもらうことはできないからです。

いままで受給してきた遺族基礎年金と老齢基礎年金を比較して高い方を選択すればよいのです。

選択の手続きは「年金受給選択申出書」の提出です。そこに記載されている選択項目「年金額が高い方を選択する」を選べば、高い方を受給できます。

遺族基礎年金ではなく寡婦年金を受給している人は65歳で寡婦年金が支給停止になるので、老齢基礎年金の手続きをしなければなりません。


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