通夜

葬儀

通夜とは

仏式の葬儀では、葬式の前日に通夜(つや、所によっては、つうやと読みます。)を行います。

通夜は、本来は、亡くなった人をしのび、夜を徹して供養することです。しかし、現在は簡略化され、夜通し弔うことはめったにありません。

通夜は、葬式以上に地域による違いがあるので注意しましょう。

1.一般参列者は葬式の方に行く。通夜は身内、あるいは親しい人が行く。
2.一般参列者は葬式の方に行く。通夜は招かれた人だけが行く。
3.一般参列者は通夜の方に行く。葬式は身内だけ、あるいは招かれた人だけが行く。例外的に、通夜に参列できなかった人は葬式に参列してもよい

大きく分けると以上の3つです。

注意しなければならないのは、2です。「招かれた人」が想定されている通夜では、予定した人数で「通夜振舞(料理)」を準備します。想定外の人が参列すると(すぐに帰ればよいのですが、勝手が分からずにモタモタしているとお膳を用意しなければならず)迷惑になるのです。

2ほどでなくても、一般参列者が通夜に行くべきか葬式に行くべきかが決まっている地域では、間違えて行けば戸惑います。慣れない土地では、地元の人に聞いてから参列しましょう。

通夜の流れ

何事にも初めてということがあります。初めて通夜に行ったときのことは誰のお通夜だったかも覚えていませんが、不慣れでご焼香をどうするかもわからず、隣の人のやり方をみながらぎこちなく行ったことだけは記憶にあります。以下で、私の地方で行われている通夜のやり方を紹介します。地域・宗派によって異なるので参考にならないところもありますがご了承ください。

流れとしては葬式とほぼ同じです。葬式で行われる受戒・引導はまだ行われないので、僧侶の読経が違います。弔辞・弔電は、通常は葬式で行いますが、通夜で行う場合もあります。

遺族着席

喪主、遺族、親族、関係者は、参列者の挨拶(お悔み)を受けるため、開式の30分前に席に着きます。

参列者着席

参列者は、祭壇に向かって焼香し、遺族に挨拶(お悔み)し、誘導された席に着席します。この際、従前は、遺族は着座のままでも構わないとされていましたが、今では椅子席の場合がほとんどなので、立ち上がって挨拶を受ける方が自然です。

開式

司会者が開式を告げます。

「ただいまより、故〇〇〇〇様の通夜の儀を執り行います。本日の導師は菩提寺〇〇寺のご住職さまです。」

僧侶入場

一同は、一礼か合掌で僧侶を迎えます。

僧侶の読経

読経が始まります。

焼香

僧侶から合図を受けた司会者が焼香の開始を告げます。

「御焼香をおねがいいたします。喪主〇〇〇〇様、・・・・・・」

「続いてご参列の皆様に御焼香をおねがいいたします。御順におねがいいたします。」

焼香の間読経が続きます。

どの範囲まで焼香をしてもらうかは参列者数によって判断します。その場合、事前に「御焼香はご親族様までとさせていたきます。一般参列者の皆様はお帰りの際に御焼香をお願い申し上げます」と断りを入れておきます。

弔電と弔辞

弔電披露と弔辞(弔詞)は葬式で行うのが一般的ですが、地域事情等により通夜の席で弔辞・弔電披露が行われることがあります。

僧侶退出

僧侶が退出します。僧侶から一言お話しすることがあります。僧侶の退場に際して、一同は一礼か合掌で見送ります。

喪主挨拶

喪主から会葬へのお礼を述べます。

「本日は、皆様にはお忙しいところ、お通夜にご参列いただきまして、誠にありがとうございました。亡き〇(父、母など)に代わって厚く御礼申し上げます。」

(故人のプロフィールを簡単に述べる)

(問題のない範囲で亡くなる前の状況を語る)

「皆様には、今後とも、これまでと同様のご厚情を賜りますようお願い申し上げます。本日は誠に、ありがとうございました。」

閉式

司会者が閉式を告げます。

「これをもちまして故〇〇〇〇の通夜は終了いたしました。別室に粗酒粗肴を用意してありますのでお時間のあるかたはお立ち寄りをおねがいいたします。」

通夜振る舞い

通夜には飲食を準備して通夜振る舞いをすることが多かったのですが、近年は、香典返しの中に缶ビールなどを入れることで通夜振る舞いを省略することも多いです。


地域・宗派によって異なるところがあります。ご了承ください。

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