喪主挨拶の心得
葬儀を主催する人を喪主といいます。喪主の大きな役割は、通夜、葬式、法要の際に、挨拶を述べることです。
ここで言う喪主挨拶は、参列者の前に出てひと言述べるあらまった挨拶のことです。思い通りに述べても構いませんが、慣習的に、一定の決まりごとがあることを承知しておきましょう。
一般的には通夜や葬式の終わりころに挨拶を述べますが、挨拶のタイミングはその地域のしきたりなどに従います。
何度か挨拶する機会があるので、少しずつ内容を違えた文案を用意しておくとよいでしょう。あれこれ考えすぎてしどろもどろになるよりは同じ文面を使ってもかまいません。
喪主挨拶の構成
一般的な喪主挨拶の組み立ては次のようになります。
1.初めに葬式に参列いただいたお礼を述べます
2.簡単に故人の経歴を述べます
3.亡くなった病名、いきさつを述べます
4.世話になった方々にお礼を述べます
5.今後のお付き合いのお願いを述べます
6.最後にもう一度お礼を述べます
これを文章にすると次のようになります。
喪主挨拶の例
本日はお忙しいところ、父〇〇の葬儀にわざわざご会葬くださり誠にありがとうございます。
皆様から心のこもったお別れのごあいさつ、また、過分なご香典、ご供花をたまわり、誠にありがとうございます。故人に代わり厚く御礼申し上げます。
父は、〇〇として40年、定年退官後は自宅で趣味の園芸を楽しんでおりました。
昨年末ころに体調をくずし、入院して治療の結果だいぶ持ち直しておりましたが、〇月〇日夜、容体が急変し、わたくしども家族が見守る中、眠るように息を引き取りました。
父の生前中には、皆様方にひとかたならぬお世話をたまわりました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
わたくしどもは未熟ではありますが、今後とも故人同様、ご指導、ご鞭撻(べんたつ)いただけますようよろしくお願い申し上げます。
簡単ではありますが、これを持ちまして御礼のご挨拶に代えさせていただきます。
本日は誠にありがとうございました。
その他の挨拶
式次第の中に組み込まれた喪主挨拶の他に、対面した参列者と挨拶を交わすことも喪主の役割です。
喪主が一人の弔問客と長く話し込んでいると、他の弔問客のご迷惑になります。できるだけ手早く会話を終えて他の弔問客のお相手をしなければなりません。
しかし、お悔やみの言葉を掛けられて無言でお辞儀するだけでは失礼だと思われることもあります。
「お忙しいところありがとうございます」
「ご丁寧に恐れ入ります」
などと、一言添えて、丁寧に頭を下げましょう。
地域・事情によって異なるところがあります。ご了承ください。
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