医療費がかさんだ時は高額療養費制度

高齢者

高額療養費入門

花子 お疲れさま、太郎さん。ところで、高額療養費制度って聞いたことありますか?

太郎 はい、聞いたことはあるけど、具体的にどういう制度なのかよくわからないんですよね。

花子 簡単に言うと、高額療養費制度は、病院で医療費を支払った場合に、一定の金額を超えるとその超過分が戻ってくる制度のことなんです。要するに、医療費の上限を設けて、それを超えた分は戻ってくるって仕組みなんですよ。

太郎 なるほど、でも上限ってどれくらいなの?

花子 その人の収入などによって決まるのよ。

太郎 なるほど、でもそれってどうやって戻ってくるの?

花子 病院の支払い明細書を添えて、保険者に手続きすれば戻ります。保険者というのは、協会けんぽなどの健康保険をやっている団体のことなの。

太郎 でも、いったん払う必要があるんですね。預金とかないと大変だなあ。

花子 そこで、高額療養費制度の限度額認定証というのがあるの。限度額認定証は、国民健康保険の場合は市区町村の窓口で取得できます。それがあると、限度額を超えた分を一時的に払う必要がなくなります。

太郎 なるほど、手続きが必要なんですね。

花子 実はマイナンバーカードを持っていると限度額適用認定証が必要ありません。

太郎 マイナンバーカードをどうするんですか?

花子 マイナンバーカードと健康保険証を結びつけておかなければならないんですが、いったん結びつけてしまうと、医療機関で治療を受ける際に、マイナンバーカードを健康保険証として使用できます。その上、マイナンバーカードを提示するだけで高額療養費制度を適用する申し込みができるんです。

太郎 便利ですね。ありがとう、花子さん。

高額療養費とは

高額療養費とは、公的医療保険の給付の一つで、同月内に同一医療機関に支払った自己負担額が、自己負担限度額を超えた場合に、その超えた額が支給される(被保険者からすれば免除される)制度です。

いくら以上から免除されるかは年齢と収入によって異なります。

申請手続き

国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入している場合は、申請に必要なものをそろえて市区町村役場の国民健康保険の窓口に行きます。

必要なものは次のものです。市区町村のホームページで確認してください。

□ 国民健康保険被保険者証
□ 高齢受給者証(70歳以上のかた)
□ 医療機関等が発行した領収書
□ 世帯主名義の金融機関の通帳等(金融機関名、店名、口座番号等がわかるもの)
□ 印かん(スタンプ式を除く)
□ 世帯主及び療養を受けた人の個人番号確認に必要な通知カードまたは個人番号カード等

*振込先は世帯主名義の口座です。世帯主以外の人が自分の口座を指定することはできません。

なるべく事前に、次で説明する限度額適用認定証を入手しましょう。

限度額適用認定証

高額療養費制度によって、高額な医療費を負担したときは、あとから申請することで自己負担限度額を超えた額が払い戻されます。

この場合は、先に自分で払わなければならないため、当面は大きな負担になります。

どれくらいの医療費がかかるか素人が予測することはできません。細かいことが分からなくても、手術や入院ということになったら、迷わず、窓口での支払が自己負担限度額におさまる「限度額適用認定証」を申請してしまう方が良いと思います。

限度額適用認定証を保険証と併せて病院等の窓口に提示することで、窓口での支払いが自己負担限度額までになります。

「限度額適用認定証」は、結果的に医療費が少なく済んで使わなかったとしても、何もペナルティはありません。

病院が高額療養費という制度があることを教えてくれることがあるかもしれませんが、手続きまではしてくれません。事後申請も事前認定も自分で手続きしなければ適用されないのでご注意ください。


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