70歳になるまで厚生年金保険料を支払う

定年

老齢年金の仕組み

公的年金制度は2つの制度からできています。よく「2階建て」と言います。

1階部分に相当するのはすべての国民が加入する「国民年金」です。そして2階部分に相当するのが会社員や公務員などが加入する「厚生年金」です。

会社員や公務員は両方の制度に加入しています。なので、両方の制度から老齢年金を受け取ることができます。給与の明細書を見ると厚生年金保険料が天引きされていますが、国民年金保険料は天引きされていません。では、国民年金から支給される老齢基礎年金は受け取れないのか、という心配はいりません。厚生年金の制度からまとめて国民年金の制度に払っているので、実質両方払ってきているのです。

厚生年金保険料の支払い期間

厚生年金保険の加入の開始は、何歳以上という年齢の縛りはありません。よって会社に勤め始めたらすぐ厚生年金に加入することになります。たとえば高校を卒業してすぐ勤め始めた人は18歳には厚生年金に加入しています。

終了期間は上限が決まっています。70歳未満です。よって70歳まで会社等に勤務して働く人は、70歳到達の日まで厚生年金に加入して厚生年金保険料を払い続けることになります。70歳到達後も会社等に勤務している人は、以後の厚生年金保険料は徴収されません。

なお、会社等での勤務を辞めれば、何歳であってもその時点で厚生年金保険料の支払い義務がなくなります。ただし、加入期間が短くなるので将来の老齢厚生年金の受給額が少なくなります。

高齢任意加入の制度

上記のように、会社に勤めていても70歳になれば、厚生年金保険に加入する資格を失います。

ただし、老齢厚生年金は最低10年以上加入していないと受給できないという制度上の縛りがあります。

そこで、老齢の年金を受けられる加入期間がなく、70歳を過ぎても会社に勤め続け、老齢の年金を受けられる加入期間を満たすまで任意に厚生年金保険に加入できる制度があります。そのような加入者を高齢任意加入被保険者といいます。事業主の同意と厚生労働大臣の認可が必要です。

老齢厚生年金支給後の保険料

老齢厚生年金は65歳になれば受給が始まります。その時点で引き続いて会社等に勤務していれば、(「在職老齢年金」という制度により、収入によっては若干減額された)老齢厚生年金を受け取りつつ、収入に応じた厚生年金保険料を払い続けることになります。

別に損をするわけではありません。その後、老齢厚生年金の再計算があるので、老齢厚生年金が増えます。


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