今朝方、駅にて耳にしたは「エスカレーターは二列にてお乗りくだされ」との御触れにござった。されど、拙者の目に映る限り、皆々片側に寄って立ち、二列など影も形もござらぬ。拙者もまた、知らずその列に並び立っておった次第。
片側に寄るこの作法、しばらくは続きましょうな。長年染みついた習いというもの、そう容易くは改まりませぬし、何より、急ぐ者にとっては道が空いておったほうが都合がよろしい。それを無理に塞ごうものなら、我先にと人をかき分けて進まんとする輩も出ましょう。そちらの方がよほど危のうござる。
拙者自身は、元来よりエスカレーターにて歩くなどという無粋は致しませぬ。楽をするための乗り物ゆえ、なぜ足を使う必要がござろうか。
さて、拙者がいつも左に寄って立つのは、いわゆる「江戸仕来り」に従うものでござる。大阪においては右に寄ると聞き及ぶ。かつて仙台は大阪の作法に倣っておったが、近頃はどうも江戸の影響が強まり、左寄りに立つ者が増えておると聞き及びます。二列乗りになるなら同じことでござるが。
本日は一日、空晴れ渡り、誠に心地よき日和にござった。明日もまた、よき天に恵まれるとのこと、まこと楽しみなことでござる。
