本日、暦の上では「清明(せいめい)」――春分を越えて、草木の芽吹きもいよいよ明るさを増す頃とされておりまする。
されどこの「清明」という節気、言葉としてはなかなか耳慣れぬもの。たとえば「今日は立春ですな」などと申す人は時折おれど、「今日は清明ですな」などと語る声は、まず聞かれませぬな。
とはいえ、自然は暦に倣って、確かに動いておるようですな。雪もほとんど消え、日陰にわずかに残るばかり。これぞ、春の確かなる証し。
空のほうは、午前中こそ細かき雨がしとしとと落ちておりましたが、午後には雨も上がり、鈍き曇天の下、静かな一日となり申した。