しばらく離れておった「ぱいそん」とやらに、ふたたび挑んでおり申す。
されど、なにぶん手の不如意――すなわち、打つ手、すなわち「たいぴんぐ」と申すものが、どうにも拙く、思うように進まぬのが悩みの種にて候。
あまりに誤り多く、これはいかんと、今さらながらに「たいぴんぐの稽古」よりやり直すことにいたした。
幸い、銭を払わずとも修行がかなう場――いわゆる「無料の練習場」も見つかり、まずはそこから始めており申す。
やってみてつくづく感じるに、人差し指や中指は、そこそこ意のままに動くものの、薬指、小指、とりわけ小指がまるで言うことを聞かぬ。
これ、若き折よりしっかり習っておけばよかったと、今さらながらに悔やまれるところ。
昔、かなり鍵(キー)を見ずとも打てるようになった段階で、己流の打ち方に落ち着いてしまい、深く稽古することを怠ってしまった。
文章を綴る分にはそれでも差し支えなかったのじゃが、いざ「写経」と称される手本通りの「こーど」を打ち写すとなると、まったくもって歯が立たぬ。
されど、たいぴんぐの修練と、こーどの写経を重ねれば、少しずつでも前へ進むやもしれぬ。
あとはこの老骨に、いかほどの根気が残っておるか……それが試されるところにて候。
日中は穏やかに暖かいが、朝夕は肌寒く、結局、今月は一日たりとて火鉢――いや「すとーぶ」を焚かぬ日がござらなんだ。
春の装いながら、まだまだ油断ならぬ陽気にて候。
2025年4月29日ーこのページー2025年5月1日