2025年5月9日 金曜日

日記

ごく近きところにて、高齢の者が操る鉄の馬――自動車なるもの――が、なんと店先へ突っ込むという、痛ましき出来事が起こりました。相手は「コンビニ」なる店にござる。

拙者は、もはや幾年か前に、その「運転免許」とやらを手放しており申す。されば、かような報せに触れるたび、「やはり早めに手放すべきであったか」と、我が身の選択に頷くことも多うござる。

されど一方、世には、住まいの不便さや、家族の事情ゆえ、どうしてもその鉄の馬を手放すことがかなわぬ者もおる。そうした立場の者の苦衷を思えば、ただ「免許返上せよ」と言い切ることも、容易にはできぬ……まこと、複雑な心持ちにてござる。

さて、報せによれば、「アクセルとブレーキを踏み違えた」との由。これがまた、拙者にはどうにも腑に落ちぬ。

なにゆえかと申せば、高齢者にして事故を起こす者の多くは、長年にわたり馬を操ってきた者どもにてあろう。されば、足の動き――とりわけ左足にて「ブレーキ」を踏む所作など、骨身に染みついておるはず。

「危ない!」と思う間もなく、体が勝手に動いて、左足が急制動をかける……そうなるのが自然ではござらぬか。にもかかわらず、なぜ右足が強く踏み込み、馬を暴走させるに至るのか――誠にもって不可解に存ずる。

体が覚えていたものが、ある日ふと、働かなくなる。それが老いの恐ろしさであるならば、やはり「まだ大丈夫」は、すでに「危うい」の兆しかもしれませぬな。

本日は、天気崩れるとの予報なれど、午前中は青空広がり、日差しも心地よきほど。午後より曇りはじめ、空も重くなってまいりました。


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