2025年5月11日 日曜日

日記

このところ、店先にて「根曲がり竹」なる山の恵みを見かけるようになり申した。春の遅れた地にて採れる、細くて柔らかき筍にて、煮ても焼いても美味なる一品。

されど近年、この山入りが、なかなか命懸けの業(わざ)となりつつあるとのこと。何と申しても、「熊(くま)」が増えておるゆえにござる。

知人のひとり、山々に囲まれた地に住む者がおるが、曰く――
「たまに熊を見ることはあるが、いちいち役人には知らせておらぬ」――とのこと。

ゆえに、地元の瓦版(新聞)に載る「熊出没」の報せよりも、実際にはもっと多くの熊が、ひそかに人里近くへ現れておるのではなかろうか、と、拙者などは案じておる次第。

空は一日どんよりと曇り、今にも降り出しそうであったが、結局雨は落ちずじまい。


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