昨夜より、寝所にて蚊遣りの電気仕掛けなる器を用い始め申した。これ、昨季の終わり頃に箱に収め、納戸へと仕舞いおいた物にて候。されど、いざ取り出してみれば、その箱の底より、昔ながらの渦巻き形の蚊遣り線香が一箱現れ候。
思えば、今を去ること三十年ほど前か…その頃、飼っておった犬の散歩用にと、渦巻き線香と、それを携えて歩くための丸金物の器とを買い求め申した。然るに、薬効あると聞くその煙、我が身の後ろへただたなびくばかりにて、犬にも拙者にも、さしたる効能は感じられず、数度使いし後は止めてしまい、以来、納戸の奥に眠らせておいたものと記憶仕る。
そう申せば、今のような電気仕掛けの蚊遣りが出回る以前は、渦巻き線香を陶器の豚の姿をした蚊遣り器に入れ、用いておったものでござる。あの豚形の器、いずこへ消えたものか、今となっては行方知れず、知らぬ間に無くなっており申す。
さて、昨日見聞いた天気読みでは、雨が降るとのことであったが、案に相違して、まずまずの天気にてござった。
2025年6月14日ーこのページー2025年6月16日