2025年8月15日 盆踊り

日記

拙者が暮らす地区にては、盆踊りがもう幾年も絶えて久しきことに候。思えば、あの疫病騒ぎの以前より無くなっておるので、十年近くにもなろうか。風聞にては、「毎夜遅くまで騒がしい」と近所より苦情あり、取りやめとなった由にて候えども、真偽のほどは定かならず。

このことを思ううち、ふと我が幼き日を思い出し候。

当時住まいし村で行われていた盆踊りは、拙者は一度も見たことござらぬ。母上が「あれは子供の行くところではない」と仰せになり、堅く禁じられたゆえなり。近所の童らのなかには行く者もおったので、腹の中では理不尽と覚えたものの、夜店が立つでもなく、ただ人々が輪になり踊るのみと知っておったゆえ、さほど行きたしとも思わず、不平を口にした覚えもなし。

このように書いているうちに、明治生まれの祖母より聞き及んだ昔語りも思い出し候。まだ村に電灯も無き時分、若い衆が丸太を組みてやぐらを立て、ありったけの提灯を飾り、レコードも拡声器も無きゆえ、娘衆が何人かやぐらの上に上がり、声を張り上げて幾刻も歌い続けた由。祖母自身も娘の頃、その歌い役を幾年も務めたと、懐かしそうに語っておられた姿を思い出し候。

されど、その村にても盆踊りはすでに廃れ、今はなきと聞く。こちらは苦情ゆえではなく、若き者の減じたためとのこと。

本日は一日曇り空にて、気温は相変わらず三十度を超え、予報によればこの暑さ、なおしばらく続く由に候。


2025年8月14日ーこのページー2025年8月16日

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