Googleのパスキーとはどういうものですか。具体的にはどうすれば使えるようになりますか?
パスキーとは
パスキーの仕組み
Googleのパスキーは、パスワードに代わる、より簡単で安全なログイン方法です。これにより、パスワードを覚えておく必要がなくなり、フィッシング詐欺や情報漏洩のリスクを減らすことができます。
パスキーは公開鍵暗号に基づいており、2つの鍵(ペア)で構成されます。
- 公開鍵: Googleなどのサービス側に保存されます。
- 秘密鍵: ユーザーのデバイス(スマートフォン、PCなど)に安全に保管されます。
ログイン時には、デバイスの秘密鍵を使って本人確認が行われます。この際、顔認証や指紋認証、PINコードなどのデバイスのロック解除方法が使用されます。これにより、パスワードを入力する手間が省け、より安全にログインできます。
パスキーのメリット
- 安全性が高い: パスワードのように盗まれたり、推測されたりするリスクがありません。
- フィッシング対策: ログイン先のURLが偽物の場合、パスキーは機能しないため、フィッシング詐欺を防ぐのに役立ちます。
- 簡単: パスワードの入力が不要で、デバイスのロック解除だけでログインできます。
パスキーは二段階認証より安全なのですか
パスキーが二段階認証より安全です。その主な理由は、フィッシング詐欺への耐性が非常に高いためです。一般的な二段階認証は、依然としてパスワードやワンタイムコードが攻撃者に盗まれるリスクを抱えているのに対し、パスキーはそれらのリスクを根本的に排除します。
二段階認証の脆弱性 ⚠️
一般的な二段階認証(2FA)は、パスワードに加えて「知識」(例:パスワード)と「所持」(例:SMSに届くコード、認証アプリのコード)の2つの要素を組み合わせることでセキュリティを向上させます。しかし、以下のような弱点があります。
- フィッシング詐欺の対象になる: 攻撃者は偽のウェブサイトを作り、ユーザーにパスワードとワンタイムコードの両方を入力させ、リアルタイムで盗み取ることが可能です。ユーザーが騙されて情報を提供してしまうと、2FAも突破されてしまいます。
- SIMスワップ攻撃: SMSを使った認証の場合、攻撃者がユーザーの携帯電話番号を不正に取得し、認証コードを盗み取ることがあります。
- 認証疲労攻撃: プッシュ通知による2FAの場合、攻撃者が何度も認証リクエストを送りつけ、ユーザーが煩わしさから誤って承認してしまう可能性があります。
パスキーの安全性 🛡️
一方、パスキーはパスワードを必要としないため、これらの脆弱性からユーザーを保護します。
- 公開鍵暗号方式の利用: パスキーは公開鍵と秘密鍵のペアで認証を行います。このペアはサービス側に送られることなく、ユーザーのデバイス内に安全に保管されます。そのため、オンラインで情報が盗まれるリスクがありません。
- フィッシングへの耐性: パスキーは、ログインしようとしているサイトのドメインが正しいことを確認します。偽のサイトでは、パスキーが機能しないため、ユーザーは騙される心配がありません。パスキー自体が、そのドメインとのみ紐づけられているからです。
- パスワードの漏洩がない: そもそもパスワードが存在しないため、パスワードリスト攻撃や総当たり攻撃といった、パスワードを狙った従来のサイバー攻撃が通用しません。
つまり、二段階認証が「パスワードをより強固にする追加の層」であるのに対し、パスキーは「パスワードという脆弱な仕組み自体を置き換える」ことで、根本的なセキュリティ向上を実現しているのです。
パスキーの具体的な使用方法
Googleアカウントでパスキーを使うには、以下の手順に従います。
- Googleアカウントにログインする: 通常通り、パスワードを使ってGoogleアカウントにログインします。
- パスキーを作成する: ログイン後、パスキー設定ページにアクセスします。
- デバイスの確認: 画面の指示に従い、パスキーを作成したいデバイス(スマートフォンなど)で本人確認を行います(顔認証、指紋認証、PINコードなど)。
- パスキーの作成完了: これで、そのデバイスでGoogleアカウントにパスキーでログインできるようになります。
一度作成したパスキーは、同じGoogleアカウントでログインしている他のデバイスにも同期されます(iOS、Android、Windowsなど)。
私のパソコンは指紋認証ができないのですがどうすればよいでしょうか?
お使いのPCに指紋認証機能がなくても、Googleのパスキーは利用できます。パスキーの認証方法は指紋認証だけではありません。
PINコードや顔認証を使用する 👨💻
指紋認証ができないPCの場合、PINコードや顔認証(Windows Helloなど)といった、PCに設定されている別のロック解除方法でパスキー認証を行うことができます。PCにこれらの機能が搭載されていれば、指紋認証と同じようにパスワードを入力せずに安全にログインできます。
スマートフォンで認証する 📱
スマホがあれば、これが最も一般的な方法です。PCとスマートフォンを連携させて、スマートフォンを使ってパスキーを認証します。
- PCでGoogleにログインする際、「パスキーでログイン」を選択します。
- 画面にQRコードが表示されるので、パスキーを設定済みのスマートフォンでスキャンします。
- スマートフォンの画面ロック(指紋認証、顔認証、PINコードなど)を解除して認証を完了させます。
これにより、指紋認証機能がないPCでも、安全かつ簡単にGoogleアカウントにログインできます。
セキュリティキーを使用する 🔑
より高いセキュリティを求める場合は、物理的なセキュリティキーを使用することもできます。USBポートに挿すタイプや、Bluetoothで接続するタイプがあります。このキーをPCに接続して認証を行うことで、パスワードなしでログインできます。これは、特にセキュリティ意識の高いユーザーや「高度な保護機能プログラム」に登録しているユーザーに推奨される方法です。
スマートフォンを使うパスキー認証は、AndroidでもiPhoneでもできますか?
はい、AndroidでもiPhoneでも、スマートフォンを使ってパスキー認証を行うことができます。これは、パスキーの仕組みがOSレベルで対応しているためです。
認証の仕組み
パソコンなどの別のデバイスでGoogleアカウントにログインする際に、スマートフォンでパスキー認証を行う場合、一般的には以下の手順となります。
- PCでログイン画面を開くGoogleのログイン画面でメールアドレスを入力後、「パスキーでログイン」などのオプションを選択します。
- QRコードの表示PCの画面にQRコードが表示されます。
- スマートフォンでスキャン 📱パスキーを設定済みのAndroidまたはiPhoneで、そのQRコードをスキャンします。
- 生体認証または画面ロックで認証スマートフォン側で、顔認証(Face ID)、指紋認証(Touch ID)、または画面ロックのPINコードなどを使い、本人確認を行います。
この認証が完了すると、PCの画面でも自動的にログインが完了します。この仕組みは、AndroidではGoogleパスワードマネージャー、iPhoneではiCloudキーチェーンにパスキーが安全に保存されることで実現しています。これにより、お使いのPCに指紋認証機能がなくても、普段使っているスマートフォンを利用して、パスワードレスで安全にログインできます。
もしスマホを紛失したらどうする
スマートフォンを紛失した場合でも、Googleアカウントを復元し、引き続きパスキーを利用する方法はいくつかあります。パスキーは複数のデバイスで同期されていることが前提となるため、その特性を活かした復旧が可能です。
別のデバイスからログインする
これが最も簡単で推奨される方法です。
- 別のパスキー対応デバイスもし別のPCやタブレット、スマートフォンで既にパスキーを作成していれば、そちらからログインできます。Googleアカウントにログインし、紛失したスマートフォンのパスキーを無効化することで、セキュリティリスクを抑えられます。
- 同期されたデバイスもし紛失したスマートフォンと同じGoogleアカウントで、他のスマートフォンやタブレットを普段から使っている場合、パスキーは自動的に同期されています。そのデバイスを使えば、通常通りパスキーでログインできます。
Googleアカウント復元プロセスを利用する
もしパスキーが利用できるデバイスが他にない場合、Googleの正規のアカウント復元プロセスを使用します。
- アカウント復元ページにアクセスブラウザでGoogleアカウントの復元ページにアクセスし、アカウントのメールアドレスを入力します。
- 本人確認の質問に回答Googleは、本人であることを確認するためにいくつかの質問をします。
- 再設定用のメールアドレスや電話番号: アカウントに登録しておいた再設定用のメールアドレスや電話番号に送られる認証コードを入力します。
- 過去に利用したパスワード: 最後に覚えているパスワードを入力します。
- 以前ログインした場所やデバイス: 普段使用しているPCや場所からアクセスすることで、本人確認の信頼性が高まります。
このプロセスを通じて本人確認が完了すると、新しいパスワードを設定したり、新しいデバイスでパスキーを再作成したりできるようになります。
パスワードでログインする(パスキーのみの利用設定をしていない場合)
パスキーはパスワードを置き換えるものですが、Googleアカウントではまだパスワードでのログインも可能です。
- パスワードでのログイン: パスキーを設定しても、パスワード自体は無効化されていないことがほとんどです。パスワードを覚えていれば、パスワードを入力してログインし、紛失したデバイスのパスキーを削除することができます。
紛失に備えてしておくべきこと
このような事態に備えて、以下の対策を講じておくことが非常に重要です。
- 再設定用のメールアドレスと電話番号を登録しておく: Googleアカウントのセキュリティ設定で、必ず最新のメールアドレスと電話番号を登録しておきましょう。これがアカウント復旧の鍵となります。
- パスキーを複数のデバイスに登録する: メインのスマートフォンだけでなく、普段使用するPCやタブレットにもパスキーを登録しておくことで、一つのデバイスを紛失してもすぐにリカバリできます。
- パスワードを覚えておく: パスキーに慣れてパスワードを忘れてしまいがちですが、いざという時のためにパスワードは安全に保管しておきましょう。
パスキーを利用し始めてもパスワードが生きている意味は
確かに、パスワードが生きていると「パスキーでセキュリティを強化した意味がないのでは?」と感じるかもしれません。しかし、Googleがパスキーとパスワードを併用できるようにしているのは、ユーザーの利便性と段階的な移行を考慮しているためです。
パスキーを導入するメリットは、主に以下の2つの状況で発揮されます。
パスキーが使える状況でのセキュリティ向上 🛡️
パスキーを設定すると、パスキーに対応しているすべての環境(対応デバイス、ブラウザ)では、パスワードを使わずにログインできます。この場合、パスワードを入力する機会がなくなるため、フィッシング詐欺やパスワード漏洩のリスクが根本的に排除されます。
つまり、パスワードが「生きている」とはいえ、パスキーを日常的に使うことで、実質的にはパスワードに依存しない、より安全なログイン体験が実現されるわけです。
パスキーが使えない場合のバックアップ 🗝️
一方で、パスワードを残しておくことには大きな意味があります。それは、パスキーが使えない状況、たとえば以下のようなケースでの「命綱」となるからです。
- パスキーを登録していないPCやデバイスからログインしたい場合
- スマートフォンを紛失し、パスキーが使えない状態になった場合
- Googleアカウントの復元が必要になった場合
これらの状況では、パスワードがなければアカウントにアクセスできなくなってしまいます。パスワードを残しておくことで、万が一の事態でもアカウント復旧の道が確保されます。
パスキーの利用は、パスワードを完全に無効化するのではなく、「パスワードを使わないで済む機会を増やす」という考え方に基づいています。これにより、セキュリティと利便性のバランスをとりながら、徐々にパスワードからパスキーへの移行を促しているのです。
最終的には、パスワードを使わずに済む環境が増えていけば、パスワード自体を覚える必要がなくなり、パスキーの真のメリットが最大限に活かされることになります。