年を重ねたゆえ、若き頃のごとく元気溌剌とは参らぬこと、心得てはおる。されど、せめて目覚めがもう少し冴えてくれればと思う毎朝である。眠りの時間は足りているはずなのに、「あと少し横になっていたい」とぐずぐずしているのが常である。
とくに急ぐ用もないゆえ、寝ておっても構わぬのだが、家族の手前もあり、また長年の習い性もあって、六時には起き出すことにしている。起きてすぐに冴え渡るわけではなく、徐々に覚めゆくといった按配である。
「体の具合が悪きゆえか」とも思ったが、同じ年回りの者に聞けば、多かれ少なかれ似たようなものらしい。いざ必要あれば、きちんと気を入れて動けるゆえ、結局は自堕落な気持ちが原因であろう。
私、若き頃は、このような折には栄養ドリンクやビタミン剤を呑んで奮い立たせたものだ。されど今は引退して、特に頑張らねばならぬこともなく、そのような物を呑むことも無くなった。
――思うに、「頑張らねばならぬことが無い」これこそが因かもしれぬ。「何時にこれをせねばならぬ」という決まりが無きゆえ、体が、いや私の脳が「今は動く必要はない」と申しているのであろう。
であれば、何の差し障りもなし。これもまた隠居の余得と心得ることにいたそう。
今日は、今にも降り出しそうな空模様であったが、降らずに済みた。西国は台風の影響で大荒れだった由、気の毒になった。