2025年9月27日の日記 スキャンダルの明治

日記

本日は、「スキャンダルの明治」と申す一冊を読み申した。著者は奥武則殿、ちくま新書から出ておる。題名の通り、明治の世に報道された醜聞(スキャンダル)とその背景事情を解説しておる書でござる。

この書に取り上げられておるスキャンダル、すなわち、「相馬家毒殺騒動」「淫祠蓮門教会」「蓄妾の実例」については、なるほどなあ、と興味深く読み申した。著者の解説も興味深い論考でござった。しかし、一番印象に残ったのは、いったん標的を定めると容赦なく追求していくマスコミ、萬朝報の凄まじさでござった。

売上を伸ばすために醜聞を取り上げる。都合のよき醜聞が無ければ、大したことのない事件でも、針小棒大に取り上げ、場合によっては捏造すらする。標的の方からすれば、いかなる訳あってかくも執拗に攻めくるかと、戸惑うばかりであったろう。いや、肩を持つわけではござらぬが。

本日も晴れて穏やかな一日でござった。


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