2025年11月2日の日記 帽子

日記

昨日は手袋のことを書き付けたが、寒さへの備えといえば、帽子は欠かせぬ。

ロシアの民は、冬に帽子を被らずにおれば春になって血管が切れ、ひどき頭痛がするなど健康を損なうと申しておると聞く。日本から参った旅人が、地元の者から帽子をかぶれと注意を受けることもあるとか。

日本とて、冬は寒きもの。しかるに、拙者はこれまで、あまり帽子を被らずに過ごしてきた。じゃが、高齢になってからは、冬に帽子を被らねば頭痛がするようになってしもうた。昔は多少の寒さなど気にも留めなんだが、髪が薄うなったゆえでもあろう。

体温は頭から逃げると聞き及ぶ。アノラックなどで体を覆うても、頭が無防備では心もとない。冬の外出時には、欠かさず帽子を被るようにしておる。それも耳までしかと覆ってくれねば役に立たぬ。

キャップ帽で耳当てが付いたものを愛用しておるが、ニット帽のときもある。ニット帽は普通のものだと、厳寒期には冷気が入り込む気がして少々不足だ。ニット帽でも確とした裏地が付いたのを持ってはおるが、長きにわたり愛用し、洗濯を重ねてきたゆえ、擦り切れて薄うなってしもうた。

一つ冬用の帽子を新たにあつらえようかと考えたが、若かりし頃、戯れに買って使っていなかったロシアの黒きウシャンカという帽子があるのを思い出して引っ張り出してきた。雰囲気で購うたものの、少々目立つゆえ使っておらなんだ。もう目立つとか恥ずかしいとかいう年でも無くなったゆえ、今年はこれを試みようと思うておる。

時折小雨が降っていたものの、比較的暖かい一日であった。


2025年11月1日ーこのページー2025年11月3日