近年は膝の具合、なかなかに良き次第にて、まこと嬉しく存じ候。拙者、五十の頃に一度、膝の痛みに悩まされしことあり、その後も折々痛み走ることござりし。
あれは冬の寒き朝のことで御座った。飼いおる犬が散歩に連れ出せと吠え騒ぎ申すゆえ、寝覚めも浅きままに連れ出した折、道すがら右の膝にズキンと鋭き痛み走り、一歩ごとに痛み募りて、そろりそろりと歩を運び、何とか家へ戻り申した。
それまで飛びはねておった犬も、拙者の様子を察してか、おとなしく付き従いおり候。家に戻りひと休み致したところ、どうにか痛み収まりしゆえ、医者には参らず。
これ、寒き折に急に動きたるが悪かりしと察し、以後は寒冷を避け、ズボンの下にタイツを穿き、散歩の前には軽く屈伸などの稽古を加え、備えるようにいたし候。また、いざ痛み兆せば、使い捨てのカイロをしばし膝に当てると、回復も早きように思い候。
