2024年12月24日

日記

趣味はなんでござるかと問われ申すとき、毎度ながら困り果て候。取り立てて胸を張って申せるような趣味がござらぬゆえにござる。

活動写真も好むし、書物を読むも好き、名所旧跡を巡るも長きに渡り親しんでおり候。
そのほかも多少たしなんでおるものの、いずれも道を極めしと言える程の腕前には至らず、
胸を張りて「これぞ我が趣味」とは申せぬ次第にて候。

あえて一つと申せば、やはり書物にござろう。されど、若かりし頃ならいざしらず、齢を重ねし者が「趣味は読書」などと申せば堅物に過ぎると思われるやもしれず、これもまた口をつぐみがちにござる。

若き折より金は乏しけれども本にかけて参り候。今は古き本を繰り返し読むことが多うござる。
幸いと申すべきか、既に一度は読んだ書物なれど内容をすっかり忘れておることが多く、新しき本のごとく楽しめ申す。覚えておるほど面白き書物は、幾度読んでもなお面白く、結局残りしは楽しめる本ばかりとなり申した。

齢を重ねし先輩方よりは、「年を取れば本も読めなくなる」と聞かされしことあり。
定年の後に読むつもりで買い溜めた本が、結局読めぬとの由。目の衰え、体力の衰え、それが理由と申しておった。

拙者もまだ大丈夫とはいえ、心当たりもござる。長く読めば目がかすむこともあり、登場人物の名を覚えるのも苦手になり申した。

されど本の楽しみは変わらず、暇さえあれば手に取り申す。出かける折は必ずKindleを懐に入れ候。うっかりKindleを忘れたときには、ひどく損をしたような心持ちになるものでござる。

車中に目をやれば、Kindle持ちは少なく、多くの者がスマホを操りおり候。書物を読む者は稀にして、新聞を広げる者、週刊誌を読む者に至ってはほとんど見かけぬ世となり申した。


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