2025年3月9日

日記

このたび、デンマークなる国にて、今年の年の暮れをもって手紙の配達を終いとし、町々の投函箱なるもの、すべて取り払うとの報せを聞き及び申した。
時代の流れとは申せ、まこと驚き入り申した。

とはいえ、我が日の本においても、いずれ同じ道を辿るやもしれませぬ。
拙者の許に届く文とて、今では、いわゆる私信なるもの、影を潜め申した。

銀行、電力、証券、クレジットの商いなど、皆々ネットなる仮想の通路にてやり取りを済ませ、書状を出すまでもなし。だいれくとめいるの類も、以前に比べれば随分と数を減じましたな。

さて、本日は晴れ渡ると聞き及び、期待して障子を開けしに、空は雲に覆われ、陽の光ひとすじも差し込まず。些か落胆致したが、これもまた風情と心得るべし。


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