2025年3月11日

日記

日々の食事は、妻殿が整えてくれるゆえ、拙者は口を開けて待つばかりの身なれど、
たまさか一人になる折は、己が手ずから飯の支度を致し申す。

若かりし頃は、野菜炒めに味噌汁――これが定番にて、飽きもせず口に運んでおり申した。
されど近頃は、ボンカレーなるもの、袋に封ぜられたラーメン、牛丼の湯煎でできる品など、
備え置きしておるものを、時と場合に応じて拝借仕る。

その中の袋ラーメンと申すもの、これが五十の坂を越えた頃より、どうにも苦手となり申した。
袋物のみならず、器に入った即席麺、さらには町の食堂で出される拉麺までも――
一言で申せば、味が濃すぎるのでござる。
「あっさり」と謳う品もまた、拙者の舌にはやはり濃い。

ある日ふと思うに、麺そのものが悪いのではなく、
どうやら「スープ」なるものが体に合わぬのではないか――と、
試みに、袋入りのスープの素を使わず、
代わりに醤油やみりんで自ら調味してみたところ、
これが存外にいけた。胃にもやさしく、すんなりと腹に収まる。

かつてはインスタントも外食も、ラーメンと聞けば目を輝かせていた拙者なれど、
齢を重ね、胃袋もまた弱くなりもうしたようにござる。

本日もまた、良き日和。風も穏やかに、陽は高し。
斯様なる一日、何事もなく過ごせたこと、ありがたきことにござる。


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