ちと所用ありて、久方ぶりに出かけることとなり、その折には、かの地に鎮座まします名のある神社へ、ひとつ参拝してみようかと思い立ち申した。
場所を確かめるため、その神社の公式なる書付――いまの言葉で申せば「サイト」とやら――を訪ねてみたところ、住所はすぐにわかり申した。されど、目に入った注意書きにて、思わず眉をひそめることとなり候。
曰く「ペット、殊に四つ足の者は、神前にてよろしくない」との由。ふむ、これはいささか理解に苦しむところにて候。
拙者、初詣の折などに、犬を腕に抱いた人々の姿を見ることは珍しきことではなく、また、秋田の地には犬を神として祀る社もあると聞き及んでおる。仮に参道を汚すことや、他の参拝者への妨げを懸念してのことであれば、それも一理あるとは思うが――
「四つ足だから神に失礼」という理屈に至っては、いささか時代がかった偏見のようにも思われ、心に引っかかりを覚え申した。
マナーの守られた参拝、たとえば犬に袴のごとき覆いを着せたり、袋に納めたりするなどの工夫をもとめる策もあろう。それらを試みず、「四つ足ゆえ不浄」と断ずるは、少々行き過ぎの感が否めぬと、拙者思うた次第にて候。
犬を連れて行く予定はなかったとは申せ、拙者、このたびはその神社への参拝は控えることといたし申した。
さて、本日は朝方こそ細雨にて、空もしっとりと濡れておったが、日中は灰色の雲に覆われ、夕刻には再び雨が降り始め、加えて雷までも鳴り響き候。
2025年4月17日ーこのページー2025年4月19日