近ごろ、スキマバイトなる言葉を耳にした。どうやら、ほんの合間の時を使い、ちょいと働いて銭を得るという新しい働き方らしく、世はずいぶんと移ろうたと、感心するやら驚くやら。
空いた時間を巧みに使うとは、まこと器用なる者たちよのう。私など、そんなわずかの隙ではなななか動けぬ性分だ。
しかし、このスキマバイトというもの、いかなる形にて働かせるにせよ、労働基準法に照らして、まぎれもなく「労働者」にあたるはず。それであれば、雇う者には、雇い入れの折の条件の明示(しかも肝心の事柄は書面にて)が必須となり、また安全と衛生に関わる法度――これもまた省けぬものであった。
加えて、働く者がすでに他所にて勤めを持つ場合などは、通算しての労働時間の把握も求められよう。このような煩雑を思うにつけ、軽々に手を出すのはいかがなものかと、私は、かつて労務の沙汰に携わっていた身ゆえ、つい心配してしまう次第。
しかし、あまりに慎重を貴び過ぎては、何事も前へ進まぬという理もまた、捨てがたし。時代の波をどう受け止め、どう船を漕ぎ出すべきか……これぞ現世に生きる者の知恵の見せどころと申せましょうな。
本日はほぼ一日、晴れやかであったが、夕刻に至りて少し雨が降った。空もまた、思い通りにはまいらぬものであった。
