2025年5月7日の日記 ズボンが合わない

日記

何年か前のことでござる。ある折、弔いの席に出向くこととなり、久方ぶりに黒いスーツを取り出したところ……なんと、腹回りがきつうなっており、冷や汗をかいたものでござる。

「これはいかん」と、しばし心を入れ替え、食を慎み、散歩を増やし、かつてのズボンがふたたび無理なく着られるようになり、ひとまず胸をなで下ろしたのも束の間――近ごろ、またもや腹が前に出てまいりましてな。いやはや、油断はならぬものにて候。

その因(もと)と覚しきは、心当たりがござる。昼下がりのコーヒータイムに、つい菓子パンの類いを食すようになったことにござる。

ダイエットに励んでいたときは、珈琲に添えるは数枚のビスケットと決めておったのだが、
あるとき「ミス・マープル」なる読み物のなかにて、ロンドンの紳士がメイドに「茶と、菓子か、はたまたバターを塗った焼きたるパンを」と命ずる場面を見かけ、これに感化されてしまい、以後、珈琲にパンという習いができてしまったのじゃ。

拙者、かようなちょっとした場面に弱く、すぐ影響を受けてしまう性分にて……まこと、困ったものでござる。

しかも近ごろは、パンの専門店のみならず、コンビニやスーパーにても、美味きパンが増えすぎておる。誘惑が多いのでござる。

本日は朝より空重く、しとしとと雨の絶えぬ一日にて候。