2025年7月7日 登米の商家

日記

いまより幾年(いくとせ)も前のこと、宮城の登米を通りかかりし折、往時の趣を今に伝える立派なる商家を目にいたし候。そこは醤油を醸す元にて、販売もなしておるとの由、車を止めて立ち寄り申した。

中へ入りしところ、老主人と覚しき御仁が、「ちと中を見てまいられよ」と誘ってくだされ、ありがたく製造の場を拝見仕り候。一巡り見学を終えし折、その老主人、樽より醤油を掬(く)みとり、「飲んでごらんなされ」と勧めてくださった。

拙者、醤油は生にて口にすれば腹を下すものと心得おり、いささか尻込みいたし候えど、「出来立ての醤油は決して腹を壊さぬ」との言葉を受け、思い切って口にいたし候。

その後、何の障りもなく、なるほどと感じ入ったのでござった。旅の折の思いがけなきご親切、心に残るご老人にござった。

今日も暑い一日でござった。


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