先日、『刀伊入寇 藤原隆家の闘い』という書を読み申した。葉室麟殿の筆にて、角川文庫より出でたるものなり。
かつて、元寇よりも昔、日本が外敵に襲われし事あり。その敵は刀伊(とい)、唐土北辺の女真族と伝えらる。
この刀伊、対馬・壱岐の住民を拉致し、さらに筑前国の沿岸をも襲ひ、大いなる被害をもたらしたとのこと。されど、大宰府の権帥(ごんのそち)藤原隆家、地元武士を糾合して迎撃し、これを撃退せしとのこと。
此度の書は、平安貴族の一人ではあるが、妥協しない人生を歩む藤原隆家が、赴任中の太宰府にて敵の襲来に遭遇し、果敢に戦ひし物語にて、奇想天外のくだりも多かれど、見事な筆の冴えを見せる小説なり。葉室殿の作は、先年『蜩ノ記(ひぐらしのき)』をも読みたるが、あれもまた面白き物語であった。
さて、今日もまた暑き日なりしが、吹く風にはいささか涼しさが混じり申した。
2025年8月15日ーこのページー2025年8月17日