2025年11月7日の日記 ふるさと納税

日記

拙者が現役の頃にはなかったものの一つが「ふるさと納税」というものじゃ。今やリタイアして、年金ぐらしの拙者には無縁の話ではある。

じゃが、世間の人が口にする話題を知らないというのも、何となく時代から取り残されたようで心許ない。そこで、先頃、少しばかり時間をかけて、この制度の仕組みをあちこち検索して調べてみた。

概要は、おおよそ想像しておった通りであった。己が住む市に納めるべき税の一部を、他の自治体に寄付する形を取り、そのお礼として、様々な「返礼品」を受け取るというものだ。それぞれの市町村は、地方の特産品を景品として出し、寄付する者を呼び込んでおる。一種の客引きのような構造と見える。

仕組み自体はさほど複雑ではないが、調べていくうちに、少々心に引っ掛かったことがある。例えば、拙者がこの返礼品につられて他の市に納税を回したとすれば、その分、わが市の税収が減ってしまうということである。

一人二人がやったくらいであれば問題ないであろうが、これが大勢の納税者が動くとなると、本来、わが市の行政に使われるべき財源が、ごっそりよそへ流出することになる。これは、己が住む地域の財政基盤を、住民自ら弱めていることになりはせぬか。己が首を締めているようなものではないか、と。

さらに検索してみたところ、案の定、返礼品の魅力で集客できぬ自治体は、斯かる羽目に陥っておるようである。これは、自治体間に競争を生み出す制度であると同時に、格差を広げる可能性も秘めておる。このような仕組みが、果たしてこの先、永く続くものなのかどうか、拙者にははかりしれぬことである。

今日は時折雨が降ってきたが、総じて曇りがちの暖かい一日であった。


2025年11月6日ーこのページー2025年11月8日