10か条
1.定期的に眼科を受診する
緑内障や白内障など、加齢に伴う目の病気は自覚症状がないまま進行することがあります。年に一度は検診を受けましょう。
2.紫外線対策を徹底する
紫外線は目の老化を進める原因の一つです。外出時は帽子やUVカット効果のあるサングラスを着用しましょう。
3.バランスの良い食事を心がける
目の健康に良いとされるビタミンA、C、E、ルテイン、ゼアキサンチンを多く含む緑黄色野菜や魚などを積極的に摂りましょう。
4.適度な運動で全身の健康を保つ
高血圧や糖尿病などの生活習慣病は、網膜症など目の病気の原因になります。全身の健康を保つことが目の健康にもつながります。
5.目を休ませる時間を作る
読書やスマートフォンなど、近くを見る作業を続ける際は、30分に一度は目を休ませて遠くを見るようにしましょう。
6.目を清潔に保つ
ドライアイや結膜炎などの予防のため、手洗いをしっかり行い、目に触れる際は清潔な手で行いましょう。
7.十分な睡眠を取る
睡眠中に目は休息し、修復されます。規則正しい生活を心がけ、質の高い睡眠を確保しましょう。
8.照明を工夫し、目に優しい環境を作る
手元を照らすには、明るすぎず、ちらつかない照明を選びましょう。夜間の転倒防止のため、足元にも適切な照明が必要です。
9.目に違和感があれば放置しない
急な視力低下、視野の欠け、飛蚊症の増加、目の充血や痛みなど、異常を感じたらすぐに眼科を受診しましょう。
10.禁煙を心がける
喫煙は加齢黄斑変性や白内障などのリスクを高めます。目の健康のためにも、禁煙に取り組みましょう。
視力低下対策
一般的な加齢性の視力低下(老眼や白内障の初期段階、またはその他の初期変化)の進行を少しでも遅らせるために、日常生活でご自身ができるセルフケアはたくさんあります。
眼科での診断を前提としたうえで、視力低下の進行を防ぎ、目を大切にするための「セルフケアのポイント」を3つの側面からご紹介します。
1. 目の「ピント調節機能」をサポートする
加齢による視力低下の主な原因の一つは、近くにピントを合わせるレンズ(水晶体)の柔軟性が失われることです。これを助けるためのトレーニングを取り入れましょう。
- 遠近ストレッチ(目の体操)
- 腕を伸ばし、立てた親指の爪など手元の対象物を数秒間見つめます。すぐに視線を切り替え、数メートル以上離れた遠くの景色を数秒間見つめます。これを数回繰り返します。
- 目的: ピント調節を担う毛様体筋を意識的に動かすことで、筋肉の柔軟性を保ち、血流を促進する効果が期待できます。
- こまめに目を休ませる
- 読書、スマホ、パソコンなど近くを見る作業を続ける際は、30分~1時間に一度は中断し、目を閉じるか、遠くの景色を見て意識的に休憩を取りましょう。
2. 目の健康を保つための「栄養」と「全身管理」
目の健康は、全身の健康状態と密接に関わっています。体の中から目を守る意識を持ちましょう。
- 目に良い栄養素を積極的に摂る
- 抗酸化作用の高い栄養素は、目の老化の原因となる活性酸素から細胞を守ります。
- ルテイン、ゼアキサンチン: ほうれん草、ブロッコリーなどの緑黄色野菜(特に網膜を保護する働きがあると言われます)。
- アントシアニン: ブルーベリー、紫キャベツなど(目の血流改善に役立つと言われます)。
- ビタミンA, C, E: にんじん、柑橘類、ナッツ類など。
- DHA・EPA: サバやサンマなどの青魚(ドライアイ対策にも有効と言われます)。
- 生活習慣病の管理
- 高血圧、糖尿病などの生活習慣病は、網膜症など失明につながる目の病気の大きな原因となります。適度な運動やバランスの良い食事で全身の健康を保つことが、目の健康を守る基本です。
- 禁煙
- 喫煙は加齢黄斑変性や白内障のリスクを高めることがわかっています。
3. 目の負担を減らす「保護」と「環境づくり」
目を守り、現在の視力でより快適に過ごすための工夫です。
- 紫外線・ブルーライト対策
- 外出時はUVカット機能付きのサングラスや帽子で、目への紫外線暴露を防ぎましょう(紫外線は白内障や黄斑変性の原因の一つです)。
- パソコンやスマートフォンを使用する際は、ブルーライトカット機能を活用したり、画面を暗めに設定したりしましょう。
- 目薬とまばたき
- 意識的にまばたきをしっかり行い、目の乾燥を防ぎましょう。ドライアイ対策の目薬を利用するのも有効です。
- 温かいタオルなどで目の周りを温める温罨法(おんあんぽう)も、血流促進やマイボーム腺(脂を分泌して涙の蒸発を防ぐ腺)の詰まり解消に役立ちます。
大切なこと
上記のセルフケアは、病気ではない範囲の目の老化のスピードを緩やかにするためのものです。
もし、急激な視力低下、視野の一部が欠ける、物が歪んで見える、飛蚊症の数が急に増えるといった症状が出た場合は、加齢によるものと決めつけずに、眼科で詳しく検査をしてもらうことを強くお勧めします。