周りに頼れる方がいらっしゃらない方が、介護保険の認定を受けるための手順を、順を追って説明します。
介護保険の認定申請のステップ
知識がない、手助けがない方でも、まずは「お住まいの市区町村の窓口」に相談することから全てが始まります。
ステップ1:市区町村の窓口に相談・申請する
まずは、市区町村の窓口に相談することをお勧めします。出向けない場合は電話でも大丈夫です。
- どこが担当か?
- お住まいの市区町村役場(市役所・区役所・町役場・村役場)の介護保険担当課または高齢者福祉担当課を探してください。
- 名称は自治体によって異なりますが、「介護保険課」「福祉課」「長寿支援課」などが一般的です。
- 何を伝えるか?
- 「介護保険の申請をしたい」
- 「申請の手続きやその後のサービスについて分からない」
- 「手助けをしてくれる人がいない」
- と伝えてください。
- ポイント:
- 担当者は、介護保険制度について説明し、申請書(要介護認定・要支援認定申請書)の記入を手伝ってくれます。
- また、後述の「地域包括支援センター」を紹介してくれることもあります。
ステップ2:訪問調査を受ける
申請後、市区町村の担当者(または委託された調査員)があなたの自宅を訪問します。
- 目的: あなたの心身の状態や、日常生活でどんなことに手助けが必要かを詳しく調べるためです。
- 内容:
- 身体の動き(立ち上がり、歩行など)
- 食事、排泄、入浴などの日常生活動作
- 認知機能(時間や場所の認識など)
- 家事や外出の状況
- ポイント:
- 一人暮らしで不安かもしれませんが、調査員はあなたの状況を正確に知るために来ます。困っていることは正直に、具体的に伝えてください。
ステップ3:主治医の意見書作成
市区町村が、申請書に記載されたあなたのかかりつけの医師に、病状や意見を尋ねる書類(主治医の意見書)の作成を依頼します。
- あなたがすること:
- 申請書に日頃から診てもらっている医師の氏名や病院名を正確に記入してください。
- もし、かかりつけ医がいない場合は、その旨を窓口で伝えてください。市区町村が適切な医師を紹介してくれることがあります。
ステップ4:審査・判定(認定の通知)
訪問調査の結果と主治医の意見書などに基づき、審査会(介護認定審査会)であなたの要介護度が判定されます。
- 認定結果: 申請から原則30日以内に、市区町村から以下のいずれかの結果が通知されます。
- 自立(非該当):介護保険のサービスは利用できません。
- 要支援1・2:介護予防サービスを利用できます。(※地域包括支援センターが担当)
- 要介護1~5:介護サービスを利用できます。(※居宅介護支援事業所が担当)
ステップ5:介護サービス計画(ケアプラン)の作成
認定結果が出たら、サービスを利用するための計画書を作成します。
- 誰に頼むか?
- 要支援1・2と認定された場合:地域包括支援センター
- 要介護1~5と認定された場合:居宅介護支援事業所(ケアマネジャーがいる事業所)
- ポイント:
- ステップ1の相談の段階で、窓口に「認定後のサービス利用の相談相手」についても尋ねておくとスムーズです。
- この計画(ケアプラン)作成の費用は、全額介護保険から支払われるため、あなたの自己負担はありません。
知識がない・手助けがない方への大切なヒント
周りに頼れる人がいない場合、地域包括支援センターがあなたの強力な味方になります。
- 地域包括支援センターとは?
- 高齢者の生活を多角的にサポートする地域の総合相談窓口です。
- 保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員(ベテランのケアマネジャー)などの専門家が配置されています。
- できること:
- 介護保険の申請代行(あなたの代わりに申請手続きをしてくれます)。
- 制度やサービスの詳細な説明。
- 適切なサービス事業者(訪問介護やデイサービスなど)の紹介。
- 一人暮らしの不安や困りごと全般の相談。
まずは、この2か所へ連絡を!
- お住まいの市区町村役場の介護保険担当窓口
- お住まいの地域の地域包括支援センター(市区町村役場で場所を教えてもらえます)
困っていることを正直に伝えれば、必ず担当者が親身になって対応し、手続きをサポートしてくれます。