祓詞(はらえことば)は神前に詣でたときに最初に唱える祝詞です。
神様の前に不浄な状態でお参りをしてはよくないと考えられています。そのため、神様の前にいるにふさわしい清らかな状態になるために奏上するのが祓詞という祝詞です。
読み方は、「はらえことば」「はらいことば」の二種類を見かけます。古い表記だと「はらへことば」です。「へ」は「え」と発音するので、ここでは「はらえことば」としています。
祓詞
掛けまくも畏き 伊邪那岐の大神 筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原に 禊ぎ祓へ給ひし時に 生り坐せる祓へ戸の大神たち 諸々の禍事 罪 穢あらむをば 祓へ給ひ清め給へと 白すことを聞こし召せと恐み恐み白す。
読み方
かけまくもかしこき いざなぎのおおかみ つくしのひむかのたちばなのおどのあわぎはらに みそぎはらえたまいしときに なりませるはらえどのおおかみたち もろもろのまがごと つみ けがれあらんをば はらえたまえきよめたまえと もうすことをきこしめせとかしこみかしこみもうす
意味
すばらしく尊い、いざなぎのおおかみが、筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原というところで、禊祓いをなされた時に、お生まれになった祓戸の大神達よ、様々な災難 罪穢れを、祓い清めてください という願いをお聞き届けくださいますよう、恐れながら申し上げます。
解説
古事記や日本書紀がもとになっています。
日本の国土お生みになった伊邪那岐大神(いざなぎのおおかみ)という神様が、黄泉の国から帰ってきた後に、穢れを祓うために水で体を清めたときに、たくさんの神様がお生まれになります。その神様に、私たちの罪や穢れを祓ってくださいとお願いする意味です。
伊邪那岐大神に直接お願いするのではなく、伊邪那岐大神が「みそぎ」をしたときにお生まれになった祓戸(はらえど)の大神たちに祓をお願いするのです。
古事記には、「・・・・・。このニ柱は、その穢(けが)らはしき国に到りし時、汙垢(けがれ)によりて成りし神なり。次にその禍(まが)を直さむとして成りし神の名は、カムナホビノ神、次にオオナホビノ神、次にイヅノメ、併せて三神なり。」とあります。この三神が「祓戸の大神たち」だと思われます。
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