tantan12

日記

2025年5月18日 日曜日

この齢となれば、目のほうもそれなりに草臥れてまいりましてな。日々、遠目にてはなんら不自由はござらぬゆえ、絵草紙(えぞうし)――いまの「テレビ」とやら――を眺めたり、茶を淹れたり、普段の暮らしに難はござらぬ。されど、近ごろは細かき文字がどうに...
日記

2025年5月17日 土曜日

近ごろ読んだ時代小説のなかに、なかなか面白きものがござってな――「物書同心 居眠り紋蔵」と申すシリーズにて、筆を執ったは佐藤雅美(さとう・まさよし)殿。なんでも、直木賞を受けた腕利きの作家とか。この紋蔵どの、南町奉行所の「例繰方(れいくりか...
日記

2025年5月16日 金曜日

花粉とやらに悩まされる季節も、ようやく峠を越えたかと存じ、先月いっぱいをもって、医師殿より賜った薬も使い切り申した。これにて終いと思うておったが、まだいくぶん、症状があるようでのう。とは申せ、目が少々しぶく感じること、そして日中に一度か二度...
日記

2025年5月15日 木曜日

あれは、ついこの間のことと申しても、世が騒がしゅうなった疫病――「コロナ」とやらが広まった折の話にござる。その折には、「不要不急の外出は控えよ」と、まことにものものしきお触れが世に出され、町も人もすっかり息をひそめるようであった。かくなる状...
日記

2025年5月14日 水曜日

日毎に陽気も緩み、春めいてまいりましたが、朝晩の冷え込みはなかなかどうして、未だ肌を刺すごとき寒さが残っておりましてな。されど本日――ついに一日を通して、火鉢も焚かず、火の気なしで過ごした初めての日となりました。拙者ひとりのことを申せば、も...
日記

2025年5月13日 火曜日

今週は、気温が二十五度を超える日もあるとのことで――そろそろ頃合いかと、涼風の仕掛け、すなわち「室外機」とやらの覆いを外し、軽く試しに動かしてみ申した。思えばこの冬は、例年にない大雪に見舞われ、かの室外機なる物体が雪の下にすっかり埋もれ、拙...
日記

2025年5月12日 月曜日

昨日のことでござる。所用にて電車なる早駕籠に揺られておりました折、突如として若き者どもが大勢、乗り込んでまいりました。揃いの羽織――現世では「ジャージ」と申すらしゅう――に、「送球部」なる名が染め抜かれており、さて、これは何の道に通ずるもの...
日記

2025年5月11日 日曜日

このところ、店先にて「根曲がり竹」なる山の恵みを見かけるようになり申した。春の遅れた地にて採れる、細くて柔らかき筍にて、煮ても焼いても美味なる一品。されど近年、この山入りが、なかなか命懸けの業(わざ)となりつつあるとのこと。何と申しても、「...
日記

2025年5月10日 土曜日

本日は、歯の検めの日にて候。時期が参ると、例の歯科なるところより、葉書が届き申す。何とも面倒ではあるが、さりとて無視するわけにもいかず、えいやっと腰を上げて出向いた次第。されど、いざ歯医者の席に座ると、どうにも身が固くなる。あの音、あの道具...