日記

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2025年8月20日の日記 熊

ここ数年、熊の出没の報せ、殊のほか多くなり申した。拙者は幼き頃、熊の棲む山裾に暮らしており、山に入れば熊の居るは承知のことなりき。されど不思議と恐ろしさを覚えたことはなく、親よりも「熊がおるゆえ行くな」と戒められたこともあり申さず。昔は、近...
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2025年8月19日の日記 森林鉄道

小学校の低学年のころ、我が家の裏手はそのまま山に続きており、浜へ下らぬかぎりは、自然と山に遊びに行くものとなっており申した。ある日、一人で山を分け入り、これまで行き着いたこともなきほど奥深くへ進みしことがあった。しばらくすると、何やら機械の...
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2025年8月18日の日記 やきまる

昨日の夕飯は、卓上コンロを用ひ、テーブルで焼肉を食し申した。かつては、かかることをいたせば、煙が座敷に充ちて難儀であった。されど「いわたに」という商人が拵えた「やきまる」という器具を使ひ始めてより、煙もあまり立たず、家の内にて焼肉するも差し...
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2025年8月17日の日記 利休にたずねよ

さて、今日は何を書きつけるかと思案いたしたが、拙者の日々はまこと変わり映えもせず、同じ刻限に同じことを繰り返すばかり。ゆえに、また先般読んだ書物のことを記しておこう。『利休にたずねよ』――山本兼一殿の筆にて、PHP文芸文庫より出でたるものな...
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2025年8月16日の日記 刀伊の入寇

先日、『刀伊入寇 藤原隆家の闘い』という書を読み申した。葉室麟殿の筆にて、角川文庫より出でたるものなり。かつて、元寇よりも昔、日本が外敵に襲われし事あり。その敵は刀伊(とい)、唐土北辺の女真族と伝えらる。この刀伊、対馬・壱岐の住民を拉致し、...
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2025年8月15日 盆踊り

拙者が暮らす地区にては、盆踊りがもう幾年も絶えて久しきことに候。思えば、あの疫病騒ぎの以前より無くなっておるので、十年近くにもなろうか。風聞にては、「毎夜遅くまで騒がしい」と近所より苦情あり、取りやめとなった由にて候えども、真偽のほどは定か...
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2025年8月14日の日記 薬の外箱

少し前、少々風邪をひき、町医者のもとへ参ったのであった。下された薬にて、おおかたは癒え申したが、薬が尽きた後も、なお咳ばかり少々残り申す。かようなる折は、りゅうかくさんでござる。人の事は知らぬが、拙者にはよく効くゆえ、久方ぶりに買い求め申し...
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2025年8月13日の日記 ヘッド・オブ・ステイト

きょうは、アマプラで異国の映画「ヘッド・オブ・ステイト」を観申した。アメリカ大統領とイギリス首相、これがどうにも馬が合わぬ仲ゆえ、顔を合わせれば火花が散る始末。されど、賊徒の不意討ちを受け、二人して命からがら落ちのびるうち、不思議なことに心...
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2025年8月12日の日記 あかんべえ

ふと昔読んだ書物を思い出し候。著者は宮部みゆき殿、新潮文庫にて発行された『あかんべえ』と申す書物、かの頃は一気呵成に読み切った覚えあり。拙者、宮部殿の筆は幾つか味わい申したが、いずれも人を惹きつける妙ありて、つい時を忘れ候。この書物の筋立て...