代表相続人とは
代表相続人とは、納税手続きや銀行手続きについて「複数いる相続人の代表者として手続きを行う」人です。
「代表」というと何か特別の権限を持つようなイメージがありますが、代表相続人になっても、他の相続人より有利に扱われるわけではありません。また、法律的な権限もありません。
手続きをスムーズに進めるために、窓口になる人のことです。
市区町村に対する代表相続人
不動産を持っていれば固定資産税の支払いが必要です。
今まで納税していた所有者が死亡した場合、その納税義務は相続登記が済んでいなければ法定相続人(民法で決められた相続人)が全員で負っていることになります。
固定資産税は、その年の1月1日現在の登記簿上の所有者に対して5月初旬ころ通知を出すことになっています。ですから、所有者が亡くなっていて、相続登記が済んでいなければ、市区町村役場の税務課に対し、固定資産税納税に関する代表者を決めて提出しなければならないことになっています。
つまり、代表相続人指定届は、市区町村役場から連絡がなくても、相続人が相談して任意に提出するべきものです。誰がなっても構いません。相続人の話し合いで決めます。
その提出がない場合でも、市区町村役場は死亡届で死亡の事実を把握しているので、相続人に対して早期に代表者を決めることを促し、それでも届出がなければ何らかの形で代表者を暫定的に決めてその人に通知を出すことになります。
代表相続人になれば、固定資産税の納税通知を受け取ることになりますが、代表者だけに納税義務があるのではなく、分割協議がまとまるまでの間、法定相続人の法定相続分に応じて納税義務が生じます。
金融機関に対する代表相続人
遺産分割協議書などを金融機関に提示することで、亡くなった人の預金を払いだすことができますが、その際、金融機関は、一括して支払をするために代表相続人の届け出を求めることが多いようです。
税理士に対する代表相続人
相続税の申告書を税理士へ依頼すると、相続人が複数いるような場合は、個別に相続人と連絡をとりながら進めるのは大変なので、税理士から代表相続人の指定を求められる場合があります。
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