遺留分侵害額請求の手続き
遺留分が侵害されていても、侵害された当人が、そのことを受け入れるのであれば、その遺言書に沿った相続手続きが行われます。
それで納得するならよいのですが、不満がある場合は、遺留分侵害額請求をすることができます。
以前は、遺留分権利者が請求権を行使した場合には、現物返還が原則でした。このため、不動産や株式が他の相続人との共有となり、共有関係の解消をめぐって問題がこじれることもありました。
現在は、遺留分権利者及びその承継人が受遺者又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭を請求することになっています。
遺留分請求のやり方
さて、遺留分を侵害された相続人は、他の相続人に請求することができます。自分が遺留分を侵害されるということは、他の相続人が多く相続していることになるからです。
口頭でもできますが、証拠が残りません。配達証明付きの内容証明郵便を出した方がよいでしょう。
この請求をしたうえで、話し合いで合意ができれば、合意書を作成し、支払を受けます。
遺留分侵害額請求書のサンプル
令和〇年〇月〇日
〇〇市〇〇町〇丁目〇番地〇
〇〇〇〇 殿
〇〇市〇〇町〇丁目〇番地〇
通知人(相続人)〇〇〇〇 印
遺留分侵害額請求書
被相続人〇〇〇〇の平成〇年〇月〇日付遺言の遺言内容は、私〇〇〇〇の遺留分を侵害しているので、貴殿に対して遺留分侵害額の支払いを請求をします。
以上
調停を申し立てる
話し合いができなかったり、話し合っても合意ができなかったときは、家庭裁判所に調停を申立てます。
調停とは家庭裁判所での調停委員等を交えた話し合いです。
調停に応じない場合、調停でもまとまらない場合は、地方裁判所か簡易裁判所に訴状を提出して裁判をすることができます。
遺留分侵害額請求権は、相続の開始及び贈与又は遺贈があったことを知ったときから、1年で時効になります。
また、相続等が開始されたことを知らなかった場合にも、相続の開始のときから10年を経過した場合には遺留分の権利が消滅します。
総目次のページ>遺言について調べたこと>遺言書がないか確認する>このページ