年寄りともなれば、眠り浅くなるもの――と、これまではよう聞いておりましたが、さてさて、私の場合、どうにも様子が違うようである。
若き頃に比べて、夜も更けぬうちに自然とまぶたが重くなり、布団に入れば程なくして眠りに落ち、いったん眠れば、何ごとあろうとも目覚めること稀である。
思えば少し前、近隣にて火事があり、火消しの龍吐水が幾台も駆けつけ、家族もご近所衆も表に出て大騒ぎになった折も、私、つゆ知らずに朝までぐっすりと眠り続けておった。また、けさも、昨夜は雷鳴轟いたと家人が申しておったが、私の耳には一切届かず。まこと、不思議なことである。
それに加え、最近は寝覚めが芳しからず。目覚ましの鐘を止めたまま、つい二度寝してしまうことも、週に一度や二度はある。身の疲れを覚えるわけでもなし、これもまた齢を重ねた証かと、諦め半分、興味半分にて見つめている次第。
本日は一日、空は曇り気味。散歩の途中、少々雨に降られたが、細かき霧雨のごときものにて、着物を濡らすほどではござらなんだ。
