昨日から、「ビブリア古書堂の事件手帖」と申す書を読んでおりました。買い求めたのはだいぶ昔のことながら、昨夜ふと手に取り、再び頁を繰り始めた次第にござる。
筆を執ったのは三上延殿、刊行はKADOKAWA・メディアワークス文庫にて候。もっとも、拙者が目を通したのは、長きシリーズのうち三冊のみ。すべてを読み切ったわけではござらぬ。
物語の舞台は鎌倉の地。そこにて古書店を営む若き女主人が登場し、その店にて働く若き男が店主に恋慕の情を抱いておる。やがて、いくつかの事件が起こり、店主が持つ深き古書の知識にて、ひとつひとつ解き明かされていく――おおよそ、そのような筋立てにて候。
されど、拙者は古書店という職に、ことさらに心を惹かれるものではなく、また書を耽読する女性に特別の想いを抱くこともなし。ゆえに、物語の背景や人物に共感を覚える類の読者とは申せぬ。にもかかわらず、話の運びには意外性があり、先の読めぬ趣向に満ちておる。まことに良き小説と感じ入り申した。
この書を手に取ったきっかけは、買い求めた当時「本屋大賞」の候補に挙がっておったことであったが、本屋大賞と申せば、拙者の脳裏にただちに浮かぶのは、百田尚樹殿の「海賊とよばれた男」にて候。が、それについてはまたいずれ語る機会もあろうかと。
さて、連日申し上げるのも気が引け申すが、今日もまた暑き一日にて候。昨日のニュースにては、水不足の懸念も伝えられており、いよいよ雨の到来が待たれるところにござる。
2025年7月29日ーこのページー2025年7月31日