このたび、新しき法の施行により、「原動機付自転車」が、これまでの五十ccまでより、百二十五にまで広げられたと聞き及ぶ。また、旧来の五十以下の原付車は、今後はもはや作られぬ運命にあるとも申す。
されば、原動機付自転車で思い出すことがある。いまどきの原付自転車と申せば、どこをどう見ても、まごうことなきバイク、すわわち普通の二輪自動車と見かけはさほど変わらぬ乗り物でござる。
しかしながら、拙者がいまだ童であった頃――原動機付自転車とは、まことにその名の通り、「自転車に原動機が付いたもの」であった。ペダルを備えたる普通の自転車に、いかにも後付けと見ゆる小型のエンジンと燃料のタンクが備わっておった。それなる姿を目にすれば、誰しもが「これぞ原動機付自転車よ」とうなずくほかなし。
しかるに、時が下り、拙者が学び舎の高き学年にあがりし折、世に現れしは、ホンダのスーパーカブなる見目麗しき乗り物。これを初めて眼にしたとき、友とともに「なんと、これが原付とな?」「バイクではないか」と騒ぎ立てし日の記憶、今なお脳裏にあり。
さて、きょうもまた、朝より熱中症警戒の報あり。空より灼くる陽は容赦なく、地の熱もまた退かず。まことに、盛夏の只中に入りしことを肌身にて覚ゆる。明日よりは八月、いよいよ暑気の極みとならんか。秋の気は、まだまだ彼方にて、拙者、少々げんなりいたしておる。
2025年7月30日ーこのページー2025年8月1日