世間にては、盆休みなる長き休暇を楽しむ者、多しと聞く。拙者はすでに勤めを離れ、日々これ日曜のごとき身なれば、連休などというもの、もはや感覚に残らず。
思えば若き頃、まだ奉公を始めし折は、お盆とて長き休みなど叶わず。
当地にては八月十三日がお盆にて、墓参りをなす家多く、拙者が勤めし先も「墓参りの者は昼より暇を取れ」との沙汰のみであった。他所の商家でも、十三日は休むといえども、その前後に幾日も休むなど聞かざりき。
されど、いつの頃よりか、盆休みは数日に及ぶ長き休暇となり、その休暇を利用して郷里へ帰る者はおるが、律義に墓へ詣でる者は少なく、ただ夏の遊びを楽しむための休みとなり候。
さて、ここ数日は涼しき日続き、「あの暑さは何処へやら」と思うておれば、やはり近くに潜みおったらしく、本日はまた三十度に至った。夏というもの、かくも油断ならぬものよ。
2025年8月9日ーこのページー2025年8月11日
