小学校の低学年のころ、我が家の裏手はそのまま山に続きており、浜へ下らぬかぎりは、自然と山に遊びに行くものとなっており申した。
ある日、一人で山を分け入り、これまで行き着いたこともなきほど奥深くへ進みしことがあった。しばらくすると、何やら機械の音のやうなものが遠くより響いて参る。はじめは雷かと思うたが、そうではなく、工場でもあるのかとさらに進みゆけば、突如、目の前に線路が現れた。
「なぜここに線路があるのか」と怪しみつつ立ち止まった折もあれ、轟音とともに木材を山と積んだ機関車が、眼前を走り抜けて行った。
驚きて家へ駆け戻り、大人に報告せしところ、「あそこまで行ったのか」と呆れられ、「あれは営林署の軌道だ」と教えられたり。
実は、拙者はすぐに森林鉄道と察しがついておった。隣町の港にて、木材を積んだ機関車が出入りするを見知っておったからである。しかるに驚いたのはそのことにあらず、思いもよらぬ場所で、思いもよらぬものに出会った、そのことであった。
本日の天候はさして暑からずとも、湿気甚だしく、熱中症警戒アラートが出ておった。まこと油断ならぬことにて候。
2025年8月18日ーこのページー2025年8月20日