紛失してからの手順
マイナカード、交通系ICカード、クレジットカードなど、重要な情報が入っているスマホを紛失した際にするべきことを、緊急度の高いものから順にまとめました。
1. 落ち着いて、探す
- なくしたスマホに電話をかける
- 自宅の固定電話や知人のスマホから電話をかけ、誰かが拾って出てくれる可能性に賭けます。
- 自分の行動を再確認する
- 立ち寄った場所(店舗、施設、交通機関など)に連絡し、遺失物として届いていないか確認します。
- GPS機能などを利用して位置を特定・ロック
- iPhoneの場合:「探す」機能(iCloudにサインインして利用)。
- Androidの場合:「デバイスを探す」機能(Googleアカウントにログインして利用)。
- これらの機能で、スマホの位置を地図で確認したり、音を鳴らしたり、遠隔でロックをかけることができます。
2. 重要なサービスの利用停止・ロック
不正利用を防ぐため、以下のサービスを速やかに停止またはロックしてください。
サービス | 対処法 | 連絡先・手続き |
マイナンバーカード (スマホ搭載) | 一時利用停止 | マイナンバー総合フリーダイヤル:0120-95-0178(音声ガイダンス2番)【24時間365日対応】 |
携帯電話回線 | 回線の一時停止 | 携帯電話会社(キャリア)に連絡し、回線を停止してもらう。※不正な通話や通信を防ぎます。 |
クレジットカード | 利用停止(紛失・盗難届) | カード発行会社に連絡し、利用を停止してもらう。【24時間受付】 |
交通系ICカード (モバイルSuica, モバイルPASMOなど) | 利用停止手続き | 各サービスのサポートセンターまたは携帯電話会社に連絡し、利用を停止してもらう。※再発行手続きの際に必要です。 |
スマホ決済サービス (PayPay, 楽天ペイなど) | 利用停止 | 各サービスのサポート窓口に連絡し、アカウントの一時停止またはロックを行う。 |
3. 警察への届け出
- 遺失物届を最寄りの交番または警察署に提出します。
- この際に発行される受理番号は、後々の手続き(キャリア、保険など)で必要になる場合があるので、必ず控えておきましょう。
4. アカウントのパスワード変更
スマホにログイン状態にある以下のサービスについて、別の端末からパスワードを変更し、不正アクセスを防ぎます。
- メールアカウント(Gmail, キャリアメールなど)
- SNSアカウント(LINE、X、Instagramなど)
- ネット銀行、証券などの金融サービス
- オンラインショッピングのアカウント
5. データの遠隔消去 (最終手段)
探索しても見つからず、個人情報の漏洩や悪用が非常に心配される場合は、遠隔でスマホのデータを完全に消去できます。
- iPhone:「探す」機能から「デバイスを消去」。
- Android:「デバイスを探す」機能から「デバイスを消去」。
注意: データ消去を行うと、以降は位置情報の検索や遠隔ロックなどの機能が使えなくなります。悪用を防ぐ最終手段として、慎重に判断してください。
日頃からの備えとして、画面ロックの設定、「探す機能」の有効化、各種サービスのID・パスワードのメモ(紙媒体など、スマホ以外で安全に保管)をしておくことが非常に重要です。
スマホの「探す機能」の使い方は?
「探す機能」は、紛失したスマホ本体が手元にない場合、パソコンや別のスマートフォン、タブレットのWebブラウザから利用することを前提としています。
利用するOSによってアクセス先が異なります。
紛失したスマホのOS | パソコンからのアクセス先 | 必要な情報 |
iPhone (Apple製品) | iCloud.com の「デバイスを探す」 | Apple ID とパスワード |
Android (Google製品) | 「デバイスを探す」のWebサイト | Googleアカウント(メールアドレス)とパスワード |
パソコンや別のスマホから操作
これらのWebサイトにログインすることで、以下の操作が遠隔で実行できます。
- 位置情報確認:地図上におおよその現在地(または最後に確認できた場所)を表示します。
- 音を鳴らす:マナーモードにしていても、大きな音を鳴らして近くにあるか確認できます。
- 遠隔ロック/紛失モード:画面にロックをかけ、メッセージ(例:「拾った方はこの番号に連絡してください」)を表示します。
- データ消去(最終手段):端末内のデータをすべて消去し、不正利用を防ぎます(ただし、一度消去すると位置情報検索などはできなくなります)。
重要
これらの機能を利用するには、紛失する前にスマホ本体で「探す機能」がオンになっていて、インターネットに接続されている必要があります。また、ログインに必要なIDとパスワードをスマホ以外で保管している必要があります。
「探す機能」をオンにする設定
iPhoneの「探す」機能は、万が一の紛失や盗難に備えるために、事前にiPhone本体で設定をオンにしておく必要があります。
以下の手順で設定できます。
「探す」機能の基本設定
「探す」機能をオンにするには、まずApple IDでiCloudにサインインしている必要があります。
- 「設定」アプリを開きます。
- 画面の一番上にある自分の名前(Apple ID)をタップします。
- 「探す」をタップします。
- 「iPhoneを探す」をタップします。
- 以下の3つの項目をすべてオン(緑色)にします。
- 「iPhoneを探す」:この機能を有効にします。(必須)
- 「“探す”ネットワーク」:Wi-Fiやモバイルデータ通信に接続されていない(オフラインや電源がオフに近い状態)ときでも、他のAppleデバイスのネットワークを介して位置情報を特定できるようにする機能です。(強く推奨)
- 「最後の位置情報を送信」:バッテリー残量が非常に少なくなったときに、自動的に位置情報をAppleに送信する機能です。(推奨)
「位置情報サービス」の設定確認
「探す」機能でiPhoneの位置を地図上に表示するためには、位置情報サービスがオンになっている必要があります。
- 「設定」アプリに戻ります。
- 「プライバシーとセキュリティ」をタップします。
- 「位置情報サービス」をタップします。
- 「位置情報サービス」のスイッチがオン(緑色)になっていることを確認します。
- 画面を下にスクロールし、「探す」の項目が「このAppの使用中」など、位置情報の利用が許可されている状態になっているかを確認します。
これで、「探す」機能が有効になり、万が一iPhoneを紛失した場合に、iCloud.comや他のAppleデバイスの「探す」アプリから位置情報を確認したり、遠隔操作(紛失モード、データ消去など)を実行したりできるようになります。