先月から、穏やかな天気が続いているが、私はずっと警戒を解かずにいた。もう一度くらいは、大雪が来るのではないかと案じていたのである。そのため、庭の雪囲いも完全には外さず、このところ履いていない防寒靴も玄関に出したままだ。コート掛けには、厳冬期にしか袖を通さない厚手のアノラックがまだ下がっている。雪がない玄関先にスノーダンプが並べてある。
しかし、どうやら用心が過ぎたようだ。今週からはいよいよ三月の下旬へと差し掛かる。予報を眺めても雪の気配は見当たらない。
春の気配がこれほど濃厚になってくると、出しっぱなしの冬装備がいささか滑稽にさえ見えてくる。もう、よいだろう。冬に別れを告げる時が来たようである。
