2026年4月3日、遺言書をパソコン等で作成することを認める民法改正法案が閣議決定されました。この法案は国会審議を経て2026年6月17日に可決・成立しています。
これにより、これまで原則として全文を手書き(自筆)で作成する必要があった自筆証書遺言に代わり、パソコンやスマートフォン等で作成できる「保管証書遺言(通称:デジタル遺言)」の制度が新たに創設されることになりました。
改正法で成立した主な変更点
- パソコン・スマホ等での作成が可能に 本文の全文を手書きする必要がなくなり、PCやスマホで作成したデジタルデータ(テキスト等)を利用できるようになります。
- 押印要件の廃止 従来の自筆証書遺言で必須とされていた押印(ハンコ)の手続きが廃止されます。
- 法務局での保管・本人確認が必須(要件) 単にパソコンのWordやメモアプリ等に作成して放置しておくだけでは有効な遺言になりません。改ざんやなりすましを防止するため、作成したデータを法務局へ提出し、法務局で本人確認手続きを行って保管してもらうことが効力発生の要件となっています。
実際に利用できるようになる時期
法律は成立しましたが、政省令の整備や法務局側のシステム構築などの準備期間が必要なため、公布から3年以内(2029年半ばまで)の施行となりました。
そのため、現時点(2026年9月)ではまだ新しいデジタル遺言制度を実際に利用することはできません。今すぐ遺言書を作成・準備したい場合には、現行の自筆証書遺言(自筆証書遺言書保管制度含む)や公正証書遺言などの既存の仕組みを利用する必要があります。