『お経の話』なる書を拝読仕りた。渡辺照宏殿の著にて、岩波新書のものに御座る。私これを手に入れしは四十余年前のこと、いかなる思いにて、かかる堅き仏教入門の書を求めしや、もはや覚えおらずた。
私、折々に書を処分致すことありといえども、この一冊は常に書棚に留め置き、目に触れるところに据え置きた。いわば座右の書の一つと申しても異論は無きかと存じ奉る。
仏道に帰依いたしているわけでは候わぬが、葬儀に参ずれば大抵は仏式にて営まれ、また私の先祖の墓も寺院に構えているゆえ、仏の御縁とは浅からぬものがあると申せましょう。
