ちと刷り出したき文がありましてな、近くの店――「こんびに」と申す――まで、ひと足運び申した。
印刷機械の前に立ち寄ると、何やら妙なる品が、支払いの読み取り機の上にちょこんと置かれておる。
見れば、それは「すまほ」なる携帯の文箱。どうやら、直前にこの機械を使うた者が、うっかり置き忘れていったものと見え申す。
拙者、他人の持ち物にむやみに手を触れることは好まぬゆえ、そのままの形で、店の者を呼び、しかと預けておいた次第。
あの類の品は、失くして気づかぬということはあるまい。きっと、じきに慌てて戻って来るに違いありませぬ。
それにしても、近ごろの道具は便利なれど、油断すればすぐに置き忘れたり、落として壊したりと、心許(こころもと)なきものにて候な。
本日もまた、空はよう晴れわたり、まことに好天。
されど暑さは続き、身に堪える陽気にてござった。
2025年6月19日ーこのページー2025年6月21日