2025年10月2日の日記 旬のもの

日記

十月は味覚の秋とも言い、食の話題に事欠かない。特に果物が豊富に出回る季節なので、まことに嬉しい。

「旬のものが一番美味い」と誰もが言う。これに異論はない。しかし、私には少々複雑なる思いもある。思えば、幼少の頃は、物資が乏しく、また冷蔵庫もなく、クール宅急便もない。「旬のものが美味い」というよりは、「旬のものしか食えぬ」時代だったのだ。

幸いにして、海の近い所に住んでいたので、魚には恵まれていた。しかし、魚というものは、獲れる時期が定まっていて、ニシンが獲れれば来る日もニシン、ホッケが獲れれば来る日もホッケ、イカが獲れれば来る日もイカ。裕福ではなかったので、おかずはそれ一品のみが連日続いたものである。

山の幸も同様だ。秋ともなれば、わが家は米の節約のため、来る日も来る日も、米少なめの栗ご飯が続いた。私も栗拾いによく山に行っていた。

今思えば、旬を味わい尽くす贅沢な食事であったが、当時は子供心にも食傷気味となった。親の拳固が飛んでくるゆえ、口には出さなかったが、「また今日も栗か」とがっかりした日があったことを、今も覚えている。

なので、「旬のものが美味い」との声を聞くと、つい、真に美味いものは、旬でない時節に手に入れてこそ、珍しくまた美味いのだ、心のうちで呟いてしまうのである。

昨日から一転、本日は爽やかに晴れた一日であった。