日記 2024年12月3日 拙者、もとより「成すべきことはすぐに成すべし」との心得にて、これまで心がけて参り申した。されど、ある程度年を重ねしのちには、いかに些細に見ゆる事柄とて、あえて急がず後回しにすることも増え申した。拙速にて失敗を重ねし経験より、まずは一度間を置... 2024.12.03 日記
日記 2024年12月2日 このたび、「史実を歩く」という書を拝読仕り候。吉村昭先生の筆になるもので、文春新書より平成十年の刊行にて候。世に小説を書かんとする者、まずは資料に当たり、土地を踏み、人の話を聞くということは、いわば当然の務めにござろう。されど、この吉村先生... 2024.12.02 日記
日記 2024年12月1日 このたび、「かたき討ち ― 復讐の作法」と申す書を拝読仕った。氏家幹人殿の筆によるもので、中公新書より出ておる。敵討ちにまつわる様々な実例、ならびに当時の見聞者による所見など、誠に興味深き内容にてあった。ひと口に「かたき討ち」と申しても、実... 2024.12.01 日記
日記 2024年11月30日 若いころは、視力というもの、なかなか良い方にござった。されど、三十の坂を越えたあたりより、どうも怪しくなり申した。そして、四十に入ったころには、免許の更新が気がかりになり、ついに眼鏡屋に足を運ぶこととなった次第。検査の際、店の者は「運転には... 2024.11.30 日記
日記 2024年11月29日 拙者、何年かに一度ばかり、眼が赤くなることがござる。初めてそのようなことが起こったのは、もう何十年も前のことであった。ある朝、右の白目が真っ赤に染まっておった。こりゃ尋常ならざると、鏡をのぞいて肝を潰した。いわゆる充血とは様子が異なり、眼そ... 2024.11.29 日記
日記 2024年11月28日 書棚より、かつて読みし「フロスト警部」を取り出し、また手に取り候。作者はR・D・ウィングフィールド、訳は芹澤恵殿、東京創元社の名作にてござる。この物語、英吉利(イギリス)の警察を舞台とし、主人公のフロスト警部は、まことに型破り。いや、型など... 2024.11.28 日記
日記 2024年11月27日 「ピンポン」と鳴るも、いまや「朋あり遠方より来る」などという風雅なことは、まずござらぬ。近隣の顔見知りならいざ知らず、大方は商いか、あるいは宗教に関わるものである。このような折、拙者は一言「買う気はござらぬ(聞く気もなし)」と申せば、大抵は... 2024.11.27 日記
日記 2024年11月26日 『現代語訳 福翁自伝』を読申した。齋藤孝殿による編訳、ちくま新書の一冊にて候。若き折、ある御仁の家にて本棚を眺めておったところ、福澤諭吉の全集なるものが整然と並んでおるのを見て、「これほど大量の文を、ひとりの人間が生涯に書き上げたとは…」と... 2024.11.26 日記
日記 2024年11月25日 高血圧と申されしは、拙者が四十の頃でござった。年に一度の健診の結果に、「高血圧 要治療」とあり、さすがに見過ごすわけにもいかず、近所の内科へ足を運び申した。看護師殿にて血圧を測り、その後、医師の申すには「ああ、高いですね」「薬、出しておきま... 2024.11.25 日記