日記

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変わり映えしない日々の日記 2025年4月

春の訪れを待ちわびつつ、今か今かと日々を過ごしておったが、いざ四月に入ってみれば、思いのほか寒さ残りて、暖かさに包まれる日はそう多くはござらなんだ。「この日こそは火を入れずに過ごせるか」と思う朝も何度かあり申したが、結局のところ、今月は一日...
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2025年3月30日 日曜日

昨日は、夏目漱石の『それから』を読み申した。主人公・長井代助、三十路にして親掛りで生活の心配もなく、俗世を軽んじながら生きておった男。その代助が、友人の妻に対する秘めたる情を燃え上がらせ、ついには道を踏み外すのでござるよ。結末は、激した代助...
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2025年3月29日 土曜日

本日、お医者様のもとへ足を運び、花粉に効く薬を頂戴して参りました。昔はな、医師殿も「薬を出しておきまする」と一言あるのみで、その薬がいかなる効き目を持ち、どのように扱うものか、詳らかにされることは稀でござった。されど、今の世は実に行き届いて...
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2025年3月28日 金曜日

かつて、血圧が高きと医師に申されてからというもの、朝な朝な具合を測るのが習いとなっており申す。されど、この冬は雪の降り積もるたびに雪かきに追われ、つい忘れてしまうこともしばしばにて候。散歩もまた然り。冬のあいだは、寒さと足元の悪さに気が削が...
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2025年3月27日 木曜日

本日は、朝より曇天にて、昼過ぎにはついに雨となり申した。しかも、久方ぶりに勢いのある降りようにて、屋根を打つ音もなかなかに賑やかでござった。気温は十二度、春とはいえ、肌寒さの残る陽気にござる。午後に入ってからは、時折ごろごろと空が鳴りはじめ...
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2025年3月26日 水曜日

今朝は、「まうす」が不調にござった。つながったと思えばすぐに切れ、またつながってはすぐ途切れる。まことに落ち着かぬ様子で、使い物にならなんだ。これはさては、例の「でんち」とやらが寿命を迎えたかと思い、あらかじめ買い置いておいた単四なるアルカ...
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2025年3年25日 火曜日

「きょう」と打ち込み申せば、これまでは自動にて「令和七年三月二十五日」などと日付に変じてくれておったものが、何ゆえか、突如としてその変換がなされなくなり申した。道具の調子か、はたまた拙者の不手際か、最初はすぐ直るものと思うたが、これがなかな...
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2025年3月24日 月曜日

「吾輩は猫である」を読み返しておった折、猫同士が飼い主の齢(よわい)について語り合うくだりに、ふと心を止め申した。「御師匠さんはあれで六十二よ。随分丈夫だわね」――六十二で生きているくらいだから丈夫と申さねばなるまい。なるほど、今の世の感覚...
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2025年3月23日 日曜日 彼岸の明け

本日は、朝より晴れ渡り、清々しき空模様にござった。彼岸も明けた由(よし)なれど、拙宅においては、ことさらに何かを致すでもなく、静かに日を過ごし申した。昼前のこと、庭先にてふと目をやれば、福寿草が一本咲いており、つぼみが三本ほど顔を出しておる...