日記 2025年3月13日 買い物のたぐいは、たいてい歩いて行ける範囲にて用が足り申すが、品によっては近所では手に入らぬものもあり、その折には、致し方なく駄賃を払って乗合いの馬車――いや、いまは「ばす」と申すか――にて街へと出向くこととなり申す。店の所在によっては、乗... 2025.03.13 日記
日記 2025年3月12日 花粉に悩まされ、医師の許へ足を運び申した。内服の薬と、目に差す薬とを処方され候。「昨年の薬は、どうにも効き目が乏しゅうござった」と申し上げたところ、「では、薬を替えてみましょう」とのことで、違う品を処方して下された。「眠くなるやもしれませぬ... 2025.03.12 日記
日記 2025年3月11日 日々の食事は、妻殿が整えてくれるゆえ、拙者は口を開けて待つばかりの身なれど、たまさか一人になる折は、己が手ずから飯の支度を致し申す。若かりし頃は、野菜炒めに味噌汁――これが定番にて、飽きもせず口に運んでおり申した。されど近頃は、ボンカレーな... 2025.03.11 日記
日記 2025年3月10日 今朝方、駅にて耳にしたは「エスカレーターは二列にてお乗りくだされ」との御触れにござった。されど、拙者の目に映る限り、皆々片側に寄って立ち、二列など影も形もござらぬ。拙者もまた、知らずその列に並び立っておった次第。片側に寄るこの作法、しばらく... 2025.03.10 日記
日記 2025年3月9日 このたび、デンマークなる国にて、今年の年の暮れをもって手紙の配達を終いとし、町々の投函箱なるもの、すべて取り払うとの報せを聞き及び申した。時代の流れとは申せ、まこと驚き入り申した。とはいえ、我が日の本においても、いずれ同じ道を辿るやもしれま... 2025.03.09 日記
日記 2025年3月8日 こまちと、はやぶさとが連なり走る新幹線にて、連結器なるものが外れ、さる木曜のこと、列車は大いに混乱したとの報せにござる。つい先頃、拙者もそのこまち・はやぶさの連結車に乗りて旅をしたばかりゆえ、他人事とは思われませぬ。拙者の旅路は、これといっ... 2025.03.08 日記
日記 2025年3月7日 土屋賢二なる御仁について、ちょっと書きたく存じまする。かの御仁は、昭和十九年の御生まれ、哲学を専らとし、お茶の水女子大学にて教鞭を執られておったとか。長らく「週刊文春」なる読み物に、筆を揮っておられ、その随筆は後に文庫となり、今や二十数冊に... 2025.03.07 日記
日記 2025年3月6日 拙者が初めて花粉なるものに悩まされ申したのは、二十代の初め、かれこれ五十年以上の付き合いとなり申すな。ある秋の佳き日、天気も良うて、山道を歩いておった。やぶをかき分けて進んでおるうちに、突如としてくしゃみが止まらぬようになり申した。道連れの... 2025.03.06 日記
日記 2025年3月5日 本日は「啓蟄(けいちつ)」と申す日とのこと。虫けらどもが土の下より這い出でる折、と申すそうな。なるほど、言われてみれば合点のゆくこともござる。去る土曜、空に雪虫のようなものが飛んでおるのを見かけ申した。昨日は家の中にて、蜘蛛一匹、ひょっこり... 2025.03.05 日記